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2019-04

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砂上の幸福

A'sのはやてSS。カップリングはとくになし。
フェイトのなのは至上主義は今更なのと、メインではないので。

※注意
はげしくなのはが悪魔的です。フェイトも染まってます。
本編のかけらもありません。救いもありません。イメージを壊したくなければ回避をどうぞ。
それでもよければ、続きより。



 砂上の幸福


 崩れ落ちる城は、今思えば当然だったのかもしれない。
 砂上に立てられた中に、束の間の幸せを私達はかみ締めていた。
 確実にサラサラとはしから崩れ始めていることに気付いたのはいつだったか。おそらく私が最後だったのではないか。

 残るのは血痕ではなく残光。行き場をなくした想いの欠片。
 伸ばしても届かないとしってなお伸ばさずにはいられないもの。
 消え去る幸福は、初めからなかった方が幸せだった。

    ◇

 突然現れた、四人の騎士。
 彼らは私といることを望んでくれていたらしかったが、本当に喜んでいたのは自分だった。
 今までずっと一人で生きてきた。足が悪く、原因不明の病にいつ死ぬとも分からない自分の運命を簡単に受け入れてしまえる自分がいた。
 苦痛も孤独も飲み込んでしまえば、楽になれたのだ。
 だけれどもいつしか。
 そう、あの四人が現れてから。死ぬのが怖くなってしまった。
 弱さを――身につけてしまった。
「主」
「はやて」
「はやてちゃん」
「主はやて」
 私を呼んでくれる人なんて、久しく居なかったせいだろう。心は浮き立ち、
 幸せな気持ちだけが先走った。
 無意味に上達した料理を振る舞えば笑顔が見れる。会話をすれば真剣に耳を傾けてくれる。プレゼントすれば、それこそ満面の笑みで応えてくれた騎士達。
 ――あなたをお守りするために、私達は存在するのです。
 嬉しかったけど、それは凄く嬉しかったけれど。誓いなんていらなかったのだ。
 ただ傍に居てくれれば。それで。

 それなのに。どうして。
 そうだ。
 神様は幸せをを崩すのが好きなんだ。

 突然胸が苦しくなったと思えば、気付くとどこかの屋上にいた。吹き荒れる風に煽られながら必死で目を開く。頭上に人影が見えた。
「なのはちゃん、フェイトちゃん?」
 宙(そら)に浮かぶ二人の見知った顔。まだ友人とは行かないまでも、親友の友達で、お見舞いにも来てくれた二人だ。
 その二人が今、一方は漆黒のマント、一方は純白の衣装に身を包んだ姿で私を見下ろしている。
 が、目を引いたのはそこではなかった。私が目を見開いたさきに映りこんだのは、二人の中央に両手足を拘束され吊るされている大切な“家族”の姿だった。
「ヴィータ?」
「ほら、見て。あなたの大切な騎士はそこに転がっているよ。もう消えちゃったけどね」
「……ぁ」
 背後を指差されて振り向けば、今にも風に飛ばされまいとする二組の服があった。それは以前私が家族にプレゼントしたものだった。はにかみながらも受け取ってくれたシグナムと、無表情ながらも、ありがとうと滅多に口にしないザフィーラが溢してくれた、あの服である。
「シグナム、シャマル、ザフィーラ……え……、なんで……?」
「さて。これから私に向かってきた無謀な騎士を排除しようと思うんだ。ここに呼んだのは、はやてちゃんにも是非見て欲しいと思って」
「この子、かすり傷とはいえなのはの身体を傷つけた罪は重いんだって、知らなかったみたいだ。もっとよく教育しないと」
「あ……ぇ?」
「もう、ヴィータちゃんては、最初は威勢がよかったくせに最後には逃げ出すんだもん。仕方ないから長距離砲撃ぶっぱなしちゃったよ。あとで管理局の人に怒られちゃうかもしれないの」
「ふふ、大丈夫だよなのは。事件の張本人をつれていけばね」
「うん。でもそのまえに……この子なんとかしなきゃ」
「ちょ、ヴィータを、うちの子をどうする気やっ!」
「壊れたオモチャは要らないの」
 口元を歪め、ひたすら愉快そうに喋るなのはちゃんに、援護するように立つフェイトちゃん。
 いったい誰なのだろう。ここは、どんな世界なのだろう。知らない世界にでも迷い込んでしまったのかと頭が曲解しようとして、――駄目だった。
 紛れもない現実。存在の消えてしまった三人の、今にも消されてしまいそうな傷ついたヴィータ。
「あかん、やめて。私が代わるからっ。お願いやから!」
「駄目だよ。だってはやてちゃんはこの事件の重要人物だもん。それにね、もうあなたはどのみち助からない」
「だからほら。騎士が消えちゃったくらいで意味はないはずだよ」
「そんな……そんな。ヴィータ、ヴィータ」
 黒いマントの子が、貴金属の杖を天に翳す。現れる黄金の刃は、死神のそれを連想させる。
「さあ、そろそろいっとこうかフェイトちゃん」
「うんなのは。お願いバルディッシュ」
 嬉しそうにその子が呟いたかと思うと、手に持った鎌をヴィータのそこに向けて振り下ろした。
 何か唇が動いて。自分が何を叫んでいるのかも分からないまま、ヴィータに向かって手を伸ばす。だが自分の手は、悲しいほどに短く決して届くことはない。
 酷く耳障りな嘲笑とともに振り下ろされた刃が、ヴィータを刈り取ってしまうのを、私はゆっくりと眺めているだけだった。
 あれほど吹き荒れていた風は既に止んでいた。それはまるで、本物の悪に恐れをなしたかのように。
「う、……っうああああああぁぁぁぁ!」
 意識が閉ざされる前に、にっこりと微笑んだ白い悪魔と黒い死神の姿を見た。




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