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2019-11

着せ替えヴィータ

なのヴィ祭り第四弾!
こちら垂れ坊様よりいただきました。

ヴィータに萌えてください。
プラス、自分はなのはに萌えてしまったwこんななのはさんも大好きです。
軽快なテンポで進む展開が、なんだか素敵なSS。

それでは続きよりどうぞ。


着せ替えヴィータ


「はい、チェック・メイト」
 瓦礫に尻餅をつくヴィータの眼前に、バスターモード状態のレイジングハート・エクセリオンの穂先が向けられていた。自分が目の前の相手に負けたことを表すには、それで十分すぎるぐらいだ。
 エクセリオンから辿っていった先に、満面の笑みを浮かべたなのはの姿があった。白い防護服は相も変わらずほとんど汚れていない。
 その事実が、ヴィータの悔しさをさらに煽っている。
「今回は私の勝ちだね」
 はい、と自分の愛器をスタンバイ状態に戻したなのはが手を差し伸べる。
 今回は、とつけたのは果たして故意か自然に出たものか。だがそんなことを悩んでも仕方がないと決めたヴィータはなのはの手を取って立ち上がり、服に付いた汚れを払って落とす。
 周囲は、荒れ果てていた。
 街中を再現した模擬戦用に作られた仮想空間。二人は先ほどまでそこで戦っていたのだが、元が街だと表すものは申し訳程度に残ったビルの残骸やかろうじて形を保っているショッピングモールぐらいのものである。普段、新人四人を相手にしたところでここまで壊れることは当然ながらない。壊れてもせいぜいがスタート地点を中心としたごくわずかな空間だけだ。
 しかし、お互いリミッターをかけていてこの破壊だ。AAAクラスの魔導師が本気で戦えば街一つ消し飛ぶという話も、あながち嘘ではなさそうだ。
「今回も、だろ? 最近はお前の勝ち越し。こりゃもうあたしでも勝てなさそうだな」
「そんなことないよ~。たまたま。たまたまだよ」
 苦笑しながら否定するなのはだが、今回の模擬戦を振り返って考えた結果、単体ではもはや勝てないとヴィータは結論づけた。同じ一撃必殺タイプだとしても、近距離と遠距離--しかも術者のレベルが後者のほうが上という前提をつけて--とを比べ、どちらが有利かと聞かれれば、誰だって間違いなく後者を選ぶだろう。
 しかしだ、それでも相手にほとんど手傷を負わせることなく敗退したというのは、騎士としてどうだろうか……
「ところでヴィータちゃん」
「あん?」
 ヴィータが見上げると、先ほどとは違った、何かを期待するような笑みを浮かべたなのはが映った。その愛くるしさは、ご褒美を待つ子供のそれに通ずるものがあった。
 そんなものを見ようものなら彼女の信者--青髪の突撃ボーイッシュとその相棒のツンデレツインとか、なのはの十年来の親友である金髪の死神とか--は悶絶してその場でのた打ち回るのは目に見えていた。
 ヴィータも例外ではないのだが、彼女の場合はこれを毎日間直で見続けているため多少の耐性がついている。とはいえ、まだ顔を真っ赤にしてしまうのだが。
「わかってるよ。アレだろ?」
 今更遅いと思いつつも、顔を横に逸らして答える。なのはの言葉の意味することを、ヴィータは即座に理解していた。
 そうそうと頷くなのは。なんとも嬉しそうだが、ヴィータは内心、ため息を吐く。
 アレ、とは模擬戦の前に二人が交わした約束のことである。提案者はもちろん、なのはだ。
 この時点で自身の負けフラグがたったようなものなのだが、他ならぬなのはからのお願いを断る理由も意志も、ヴィータにはない。
「それじゃ、いつもの場所で、ね……?」
 一変、蟲惑的な微笑みを浮かべながらヴィータの耳元に言葉をかけるなのは。吹きかけられた吐息に、僅かな興奮の色が混じっている。
 到底抗うことなどできない魔性の誘いに、ヴィータは無言で頭を縦に振ることしかできなかった。
 そうして二人は連れ添って、隊舎へと足を向けて歩き始めた。



 隊舎の一角にある一室はちょっと広いワンルームマンションの部屋ほどあり、室内に必要な家具さえ揃えれば人一人ぐらいなら生活できそうなほどだ。
 天井も高く、やや大きめに作られた窓からは海が一望できるようになっている。昼は太陽にきらめく陽気な姿、夜には星の淡い光を僅かに反射した静謐な佇まいという二面相を楽しむにはうってつけなのは確かだ。
 しかし、二人は今回そこから海を眺めようなどというロマンティックな理由でここに来たわけではない。
「うん、やっぱり想像通り。ううん、想像以上だよヴィータちゃん」
「ううう~……」
 頭の後ろからやや興奮気味に声をかけるなのはに対し、ヴィータは羞恥に顔を赤らめ、うつむかせている。
 二人が来た目的--床に散らばるいくつもの衣服、そして背の高い姿見。その前でうつむくヴィータに後ろでにこにこ笑うなのは。勘の良い人間ならこの時点で気づくことだ。
 現在、二人が行っているのは着せ替えごっこである。といっても、着せ替えられるのはヴィータのみなのだが。
「ほらほらヴィータちゃんも、ちゃんと鏡を見なきゃ駄目だよ」
 なのはの両手がヴィータの顔を優しくはさむと、ひょい、と鏡へと向けた。
 慌てて目線を逸らそうとしたが時既に遅く、鏡の中の自分をばっちりと見てしまった。
 そこには、赤いドレスにエプロン--いわゆるエプロンドレスに身を包むヴィータがいた。スカートはやや短く、細い脚部のほとんどが惜しげもなく外気に晒されている。白のニーソックスをはいてはいるが、それがそれが逆に素足の時以上に胸の奥に甘い疼痛を感じさせる。
「こんなに可愛いのに~」
 耳元で囁かれるなのはの声に心臓が跳ね上がり、顔の温度がさらに上昇する。
「べ、別に可愛くなんてねえよ」
 唇を尖らせて言うも、「そんなことないよ」とあっさり否定される。
「それじゃあヴィータちゃん。次はこの服着てみようか?」
 なのははどこからか取り出した服をヴィータに差し出した。
 今度は白とピンクを基調としたドレスだった。スカートが妙にふわふわとしており、内側にはこれまた妙にフリルが多い。
「最近出た新作なんだって。ヴィータちゃんならきっと似合うと思って買ってきちゃった!」
 ヴィータはドレスを見ながら絶句した。
 なのはが持つ可愛らしいドレス。それはどう考えても自分には似合いそうにない代物だ。そんなことを言ってもなのはは取り合わないだろうが、それを着ている自分の姿はどうにも想像できない。それがたとえ、今日までに何十着と可愛らしい服を着せられているという事実があるにしても、想像できないものはできないのだ。
 ヴィータは可愛い服全般を着る自分など考えたことがなかった。自分は騎士であり、そんなものとは無縁だと思っていたからだ。
 だというのに、なのはや主のはやて、どういうわけかシャマルまで自分に可愛い服を着せようとする。そういう時も似合わないから着たくないと言っているのに、そんなことないと却下される。
 皆が、特になのはとはやてが言うのだから本当にその通りかもしれないのだが、いまいち納得がいかない。
「なあ、なの--」
「すごく似合うと思うな~」
 なのははヴィータの言葉を遮るように言う。にこにこと、笑いながら。
「うっ……だ、だから」
「似合うと思うな~」
「んなこと言ってもなぁ……」
「似合うと思うな~」
「あう……」
 このやりとりも、すでに何度も交わされていることである。もはや恒例となりつつある。
 そしてやっぱり結末もお決まりのもので、
「……わかったよ」
 片方が折れる。折れるのはもちろんいつもヴィータだ。
 にゃはは、と笑いながらなのははヴィータに服を渡す。
 ヴィータはそれを受け取り、着替えようと来ている服を脱ぎ始めたとき。
「あっそうそう、これ渡すの忘れてた」
 ……ものすごく、嫌な予感がする。理屈では説明できない本能からの警告に、ヴィータの背筋に寒気が走る。
「これこれ。前々から試したいと思ってたの」
 はい、と極上の笑顔で渡されたのは、白い半ズボンだった。妙に薄かったり足が出る部分が細くなっているのが少々気になったが、どう見ても半ズボンにしか見えない。
 もっと危険な物を渡されると思っていたヴィータは安堵しながらも、なんでドレスに半ズボン? などと疑問に思い首をかしげた。
 その答えは即座に、それも自分の想定外のものとしてかえってきた。
「これはね、ドロワーズって言うの。こう見えても立派な下着なんだよ」
「……へっ?」
 おそらく自分は相当変な顔になっている。そうわかっていながら、ヴィータにはどうすることもできなかった。出来る状態ではなくなっていたのだ。
「もちろん、下着だから履き替えなきゃ駄目だよ?」
 下着を、履き替える? なのはの前で? その姿を一瞬想像したヴィータは、慌てて止めに入った。
「ち、ちょっと待てなのは! さすがにそれは--」
「これをつけたヴィータちゃんを見てみたいな~」
 いつもなら即座に撃墜されるであろう笑顔でそんなことを言われても、今回ばかりはさすがに期待には答えられそうにない。なのはに見られながら服を着替えるのもまだ抵抗があるのだ。下着なんて、絶対無理だ。
 そう伝えようと口を開きかけたが、じりじりと近づいてくるなのはを見て思わず言葉を飲み込んでしまった。
「けど、考えてみたらさすがにそれはちょっと恥ずかしいよねぇ……」
 珍しく自分の意見に賛同しているなのはだが、ヴィータは素直に喜べない。
 何故なら、じりじりと近づいてくるなのはの瞳に、危険な色が混じっているのを見てしまったからだ。
「じゃあさ、私が手伝ってあげるよ……」
「い、いいって! 一人でできるから!」
「遠慮はいらないんだよ? ヴィータちゃん……」
 ゆっくりと距離を詰めてくるなのはの頭と尻からにょきにょきと悪魔を連想させるそれが出ていたのを、ヴィータの目はしっかりと捉えていた。
 ひぃ、と情けない悲鳴を上げながら、なんとか距離をとろうと後ずさるヴィータだが、すぐに背中に硬い壁の感触を感じた。
 本来ならこの程度の壁、相棒の一撃ですぐに破壊できるのだが、それをするにはまずなのはの後方にある自分の制服のもとへと向かわなければならない。
 つまりは、手詰まり。完全に追い詰められたのだ。
「大丈夫だよ。ちゃ~んと優しくするから、ね?」
 甘く、囁かれるその声も、今はヴィータの恐怖を煽るだけである。 
 追い込まれたヴィータの脳裏に浮かんだのは、優しき主の姿。ヴィータは無意識に彼女に助けを求めた。
「ちょぉぉっと待ったぁぁぁ!」
 勢い良く入り口が開かれたと思うと、これまた勢いのいい声が室内に響き渡った。
 二人は入り口に視線を向ける。そこにいたのは--
「は、はやてぇぇ~」
 ヴィータは思わず涙目になる。
 そこにいたのは、今しがたヴィータが助けを求めた主、八神はやてだった。
「はやてちゃん……」
 突然の来訪者に呆けるなのはを横切って、ヴィータがはやてのもとへと走りよる。
「うわぁぁん! はやてぇぇぇ~」
 ボスッと音を立てて制服に顔を埋めたヴィータの頭を、はやては優しく撫でる。
「もう、二人がこっちに向かったって聞いて来てみれば……」
「あ、あはは」
 なのはの誤魔化し笑いにふぅ、と息を吐いたはやてがヴィータの両肩に手を置く。
「あんな~なのはちゃん」
 この時、安心しきっていたヴィータは気づかなかった。両肩に置かれた主の手に力がこもったのを。そしてなのはを叱責する顔に小悪魔のような笑みが浮かんでいたのを--
「新しいことするんやったら私を誘ってくれなきゃあかんよ~」
 ……はい? 
 ヴィータがその言葉を理解するよりも早く、はやてはヴィータの身体を室内に向け、押し進めた。しっかりと、入り口に鍵をかけるのも忘れずに。
「だって、はやてちゃん丁度いなかったから声かけれなかったんだもん」
「そうだったんか? まあ確かにそれはしゃあないわ。ところでなのはちゃん、仕事のほうは大丈夫なんか?」
「うん、新人のみんなはフェイとちゃんとシグナムさんが担当してるし、仕事もちゃんと終わらせてきたから」
 そうしてヴィータが気が付いたときには、後ろにはやて、前になのはという双璧が構築されていた。
「え? え? え?」
 なのはとはやてを交互に見やるヴィータに構うことなく、二人は顔を見合わせ笑いあう。
 これから悪戯をする子供のような、無邪気で真っ黒な笑みだった。
「ほんなら」
 がっちりと両腕を固定するはやてと、
「さっきの続き、しようか。ヴィータちゃん?」
 ドロワーズ片手に手をワキワキと動かしながら迫るなのはを見て、ヴィータはようやく、自分が今度こそ完全に逃げられないのを悟った。
「ふ、ふ、ふぎゃあぁぁぁぁぁぁ!」
 ヴィータの悲鳴はしかし、部屋の外の誰にも聞こえることはなかった……


 その後、訓練を一旦終えた新人たち四人は食堂の片隅で、顔を赤らめながら不機嫌そうにそっぽを向くヴィータと、彼女に謝り続けるなのはとはやての姿を目撃したとかなんとか。

 終わり

● COMMENT FORM ●

やっぱいいですね、ほのラブって言うんでしょうか。
こんなSSが読みたかった!!

ヴィータのツンデレっぷりがよくて、なのはが総愛されが最高ですね。
このサイトでSSを読んでから最近なのヴィに目覚めてしまいました。


あらあら♪ ついにやられちゃいましたね。
可愛らしいヴィータちゃんの身体と心は違うけれど、そこが良いところであって、たまには可愛い服装を着せたいですね☆
可愛い話です♪ 次も頑張って下さい。

>hhさん
ほのラブはいいですよね。ヤンデレもだいすきですが、こんなほのぼのと心あたたまる話も好きです。
ヴィータのツンデレ具合もいい感じですし。
自分もこんな話が書けるようになりたいです。
なのヴィは良いですよ!大好きです。

>月夜さん
ヴィータのエプロンドレス姿を想像するだけでニヤけてしまいますね。さすがなのはさんです。
萌えな話を自分はかけないので羨ましいです><
ということで垂れ坊さんのこれからに期待(ぇ


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