その境界線は。
高町なのはを全力全開で愛していく。そんな小説を書いてます。
幸福の在処 五章 2007/09/23
「幸福の在処」五章です。
今回はちょっと短く、加えて無闇矢鱈と暗いです。
あとちょっとR指定。淡々とした描写だけのささいなものですが。
話的に生々しいかも。表立った単語はなんとか避けてごまかしましたが、苦手な人もいるかもしれません。あとヴィータやなのはが前回よりもちょっとずつ病んでます。
いろいろごめんなさい、な話ですが。
よければ続きからどうぞ。
幸福の在処 五章
もう私は壊れてしまっていた。誰が壊したのか明確すぎて、逆に問わずには要られない。
――だれが私を壊した?
それは自分の影。腐りきった自分が精神を砕いていく。どこへ正常な心をおいてきてしまったのか。
スカーレットに染まる視界が近くて。スノーホワイトに塗りつぶされた空が遠くて。私はその場所まで永遠に届かないことを知る。
――大好きなはやてちゃん。
はやてちゃんの大切なフェイトちゃんとヴィータちゃん。
二人が幾ら私を求めようと、心がひくつくこともない。真っ直ぐに、ただ一人の人のもとへ向かって進む。例え間違った方法だと誰かが叫んでも、私はやはりその方向が正しいと信じて進む。
もう戻れない。今更、戻れなかった。戻りたくなどなかった。ただ苦しいだけの世界に。
「さぁ、おいで」
微笑を浮かべながら手招きをすると、彼女は従順にこちらに来る。良い子だね、と頭を撫でた。
「今日は自分で脱いでみようか」
「なにょは……」
「ん、どうしたの?」
「何でも、ないよ」
「そう、じゃあ脱げるかな?」
こくり、と頷くのは可愛いらしい少女。
犯すのは初日でやめた。正直馬鹿らしいだけだった。気持ちがそこにあるのなら、幾ら態度を変えようとそれこそ意味がなかったのである。どうせならこうして優しく抱き合うほうが、心地よかった。そして自分でも不思議なほど、彼女を抱くのは安心した。他の誰を抱き締めてもそんな気にはならない。だから優しくできた。したいと思った。
華奢な肩を抱き寄せると、小さな体は容易に抱き締めることが出来る。触れ合う肌はしっとりと馴染み、離れれば全身にキスを落とした。舞い落ちた赤い花弁を眺めては口元が緩む。
やはりどこかであの人と繋がっているとわかっているからだろうか。代わりにしているつもりはないのだけれど、彼女からはやてちゃんを微かに感じ取る事が出来る。でなくとも、彼女自身を愛らしく感じていた。自分なりに愛す事ができた。
聞いた事がある。愛がなくても飼えるのが奴隷、愛がなければ飼えないのがペットであると。そう、とどのつまり私にとってヴィータちゃんはペットなんだ。だからこそ可愛いくて愛しい。
キスをした。全身触れない場所がないほどキスをしたあと、最後に唇を塞いだ。舌を捻じ込むと、おそるおそる舌を伸ばしてくる。容赦なくその舌を絡め取り反撃する。勇気をだして舌をつきだしたことを今頃後悔しているのではないだろうか。唇の端から漏れる吐息は熱く、ほんの少しだけ狂気の混じった視線で見つめられればたまらなく背筋が震える。
「大好き、なのは。大好きだよ。愛してる……んだ」
「……」
私は行為を続ける。
間断なく響く水音が耳に心地良い。彼女の秘所からは幾滴もの甘い蜜が零れ、ベッドのシーツを酷く汚していた。構わずに私は彼女のそこに唇をあて、吸い尽くす。
狂っていた、何もかもが。
好きとも愛しているとも返したことのない自分に、真っ直ぐに好きだ囁くことのできる彼女も、それを無視できる自分も。狂っていた。だからこそ抱き合えた。夜明けのない世界は、確かにここにあったのだ。
私はしばしば外泊をするようになった。同室の彼女には適当な言い訳を告げてある。別にばれても構わないような気がしていた。怠惰という見えないものに押しつぶされてしまっていた。ヴィータちゃんの部屋来る前は、二時間ほどで戻ろうと考えていても、ひとたびその空間に足を踏み込めば何処かへ吹き飛んでしまう。
ヴィータちゃんは笑顔で迎えてくれる。私は可愛いペットの頭を撫でる。何日かがそうやって過ぎ、一週間が経った頃、不意にヴィータちゃんは私を見上げた。
「なあなのは、女の子同士での子供の作り方って知ってるか」
言う彼女の表情は艶やかに彩られ、ぞくりとした。知らない、と言うと、いかにも楽しいというふうに彼女は妖美な笑みを浮かべる。
それから彼女はいろいろと説明してくれた。だけどその多くは脳を素通りしていき、ほとんど残らなかった。
「どうでもいいよ。それよりもう一回しよう」
「ふふっ、そうだな」
そして数週間が経ち、一ヶ月が経っても、変わらぬ毎日を私は送っている。流石に以前よりは部屋に戻ることも多くなった。同時に、近頃は落ち込み気味だったフェイトちゃんが元気になっていった。
それはある日の午後のことだった。新人四人の訓練を見ていたところに、はやてちゃんから通信が入った。くたくたになったティアナをひとまず解放し、呼び出し人の元へ向かう。自然と足早になる。彼女に会うのは実に一ヶ月ぶりだった。
部隊長室に呼び出された私は身だしなみと姿勢を正しながら、彼女の前に直立した。
「面倒やから率直に言うわ」
厳しい顔つきで、私を見返す。
「なのはちゃん、フェイトちゃんと付き合ってるんやってね」
心臓が、一瞬停止した気がした。
「油断してたわ。なのはちゃんは私のこと好きやとばかり思ってたからな」
「……もう違うよ」
「そうか?最近なのはが冷たいって嘆いてたで。まだ私のこと好きでいてくれてるんやないかなっておもったんやけど」
「そんな……ことは」
「ないんか? そうか。うん、ええけどな」
「そうだよ。私はフェイトちゃんしかいない、よ」
「ならヴィータのとこによく行ってるの、あれは違ったんかな。フェイトちゃん一筋なら違うもんな。なのはちゃんに良く似た人もおるんやなー」
「っ、はやてちゃんしばらくこの宿舎にいなかったでしょ? なんでそんなこと言えるのかな」
声が震えていた。
「機動六課……ああ違うわ、“時空管理局”にプライバシーなんてあるわけないやろ?」
その一言で理解し、次に見せられた映像で確信に変わった。私達は常に監視されていたのだと。
そういえば入院してた頃の映像も撮られていたな、と今更思いながらこっそりと生唾を飲み込む。
「ただ遊びに行ってただけだよ」
「毎晩か」
「他に何があるっていうの。いい加減にして、はやてちゃん」
彼女の巧みな言葉に操られまいとし、だが自分と、毎日上官と口論を交わしている彼女とではレベルが違っていた。言葉尻は直ぐに弱くなる。
「面白い話をしようか、なのはちゃん」
「え?」
「ミッドチルダにはな、女性同士でも子供が作れるんやて。私らの世界じゃ信じられへんけど、ここじゃ既にそういうことも出来るんよ」
「それとどういう関係が」
どこかで聞いた話だ、と思った。それはすぐに思いあたる。取り出した……の核を、それから再び胎内に――、など異世界の言語のような言葉の羅列を、何故はやてちゃんが並べているのか。
答えは一寸先にあった。
「――ヴィータちゃんが?」
地獄の底から届けられた轟きが喉を通って吐き出された頃、その部屋には自分以外に二人の女性がいた。
騎士甲冑を身に着けた八神はやてと、いつからいたのか、黒いスーツに身を包んだフェイト・テスタロッサ・ハラオウンは、静かに私を見つめていた。
⇒六章
今回はちょっと短く、加えて無闇矢鱈と暗いです。
あとちょっとR指定。淡々とした描写だけのささいなものですが。
話的に生々しいかも。表立った単語はなんとか避けてごまかしましたが、苦手な人もいるかもしれません。あとヴィータやなのはが前回よりもちょっとずつ病んでます。
いろいろごめんなさい、な話ですが。
よければ続きからどうぞ。
幸福の在処 五章
もう私は壊れてしまっていた。誰が壊したのか明確すぎて、逆に問わずには要られない。
――だれが私を壊した?
それは自分の影。腐りきった自分が精神を砕いていく。どこへ正常な心をおいてきてしまったのか。
スカーレットに染まる視界が近くて。スノーホワイトに塗りつぶされた空が遠くて。私はその場所まで永遠に届かないことを知る。
――大好きなはやてちゃん。
はやてちゃんの大切なフェイトちゃんとヴィータちゃん。
二人が幾ら私を求めようと、心がひくつくこともない。真っ直ぐに、ただ一人の人のもとへ向かって進む。例え間違った方法だと誰かが叫んでも、私はやはりその方向が正しいと信じて進む。
もう戻れない。今更、戻れなかった。戻りたくなどなかった。ただ苦しいだけの世界に。
「さぁ、おいで」
微笑を浮かべながら手招きをすると、彼女は従順にこちらに来る。良い子だね、と頭を撫でた。
「今日は自分で脱いでみようか」
「なにょは……」
「ん、どうしたの?」
「何でも、ないよ」
「そう、じゃあ脱げるかな?」
こくり、と頷くのは可愛いらしい少女。
犯すのは初日でやめた。正直馬鹿らしいだけだった。気持ちがそこにあるのなら、幾ら態度を変えようとそれこそ意味がなかったのである。どうせならこうして優しく抱き合うほうが、心地よかった。そして自分でも不思議なほど、彼女を抱くのは安心した。他の誰を抱き締めてもそんな気にはならない。だから優しくできた。したいと思った。
華奢な肩を抱き寄せると、小さな体は容易に抱き締めることが出来る。触れ合う肌はしっとりと馴染み、離れれば全身にキスを落とした。舞い落ちた赤い花弁を眺めては口元が緩む。
やはりどこかであの人と繋がっているとわかっているからだろうか。代わりにしているつもりはないのだけれど、彼女からはやてちゃんを微かに感じ取る事が出来る。でなくとも、彼女自身を愛らしく感じていた。自分なりに愛す事ができた。
聞いた事がある。愛がなくても飼えるのが奴隷、愛がなければ飼えないのがペットであると。そう、とどのつまり私にとってヴィータちゃんはペットなんだ。だからこそ可愛いくて愛しい。
キスをした。全身触れない場所がないほどキスをしたあと、最後に唇を塞いだ。舌を捻じ込むと、おそるおそる舌を伸ばしてくる。容赦なくその舌を絡め取り反撃する。勇気をだして舌をつきだしたことを今頃後悔しているのではないだろうか。唇の端から漏れる吐息は熱く、ほんの少しだけ狂気の混じった視線で見つめられればたまらなく背筋が震える。
「大好き、なのは。大好きだよ。愛してる……んだ」
「……」
私は行為を続ける。
間断なく響く水音が耳に心地良い。彼女の秘所からは幾滴もの甘い蜜が零れ、ベッドのシーツを酷く汚していた。構わずに私は彼女のそこに唇をあて、吸い尽くす。
狂っていた、何もかもが。
好きとも愛しているとも返したことのない自分に、真っ直ぐに好きだ囁くことのできる彼女も、それを無視できる自分も。狂っていた。だからこそ抱き合えた。夜明けのない世界は、確かにここにあったのだ。
私はしばしば外泊をするようになった。同室の彼女には適当な言い訳を告げてある。別にばれても構わないような気がしていた。怠惰という見えないものに押しつぶされてしまっていた。ヴィータちゃんの部屋来る前は、二時間ほどで戻ろうと考えていても、ひとたびその空間に足を踏み込めば何処かへ吹き飛んでしまう。
ヴィータちゃんは笑顔で迎えてくれる。私は可愛いペットの頭を撫でる。何日かがそうやって過ぎ、一週間が経った頃、不意にヴィータちゃんは私を見上げた。
「なあなのは、女の子同士での子供の作り方って知ってるか」
言う彼女の表情は艶やかに彩られ、ぞくりとした。知らない、と言うと、いかにも楽しいというふうに彼女は妖美な笑みを浮かべる。
それから彼女はいろいろと説明してくれた。だけどその多くは脳を素通りしていき、ほとんど残らなかった。
「どうでもいいよ。それよりもう一回しよう」
「ふふっ、そうだな」
そして数週間が経ち、一ヶ月が経っても、変わらぬ毎日を私は送っている。流石に以前よりは部屋に戻ることも多くなった。同時に、近頃は落ち込み気味だったフェイトちゃんが元気になっていった。
それはある日の午後のことだった。新人四人の訓練を見ていたところに、はやてちゃんから通信が入った。くたくたになったティアナをひとまず解放し、呼び出し人の元へ向かう。自然と足早になる。彼女に会うのは実に一ヶ月ぶりだった。
部隊長室に呼び出された私は身だしなみと姿勢を正しながら、彼女の前に直立した。
「面倒やから率直に言うわ」
厳しい顔つきで、私を見返す。
「なのはちゃん、フェイトちゃんと付き合ってるんやってね」
心臓が、一瞬停止した気がした。
「油断してたわ。なのはちゃんは私のこと好きやとばかり思ってたからな」
「……もう違うよ」
「そうか?最近なのはが冷たいって嘆いてたで。まだ私のこと好きでいてくれてるんやないかなっておもったんやけど」
「そんな……ことは」
「ないんか? そうか。うん、ええけどな」
「そうだよ。私はフェイトちゃんしかいない、よ」
「ならヴィータのとこによく行ってるの、あれは違ったんかな。フェイトちゃん一筋なら違うもんな。なのはちゃんに良く似た人もおるんやなー」
「っ、はやてちゃんしばらくこの宿舎にいなかったでしょ? なんでそんなこと言えるのかな」
声が震えていた。
「機動六課……ああ違うわ、“時空管理局”にプライバシーなんてあるわけないやろ?」
その一言で理解し、次に見せられた映像で確信に変わった。私達は常に監視されていたのだと。
そういえば入院してた頃の映像も撮られていたな、と今更思いながらこっそりと生唾を飲み込む。
「ただ遊びに行ってただけだよ」
「毎晩か」
「他に何があるっていうの。いい加減にして、はやてちゃん」
彼女の巧みな言葉に操られまいとし、だが自分と、毎日上官と口論を交わしている彼女とではレベルが違っていた。言葉尻は直ぐに弱くなる。
「面白い話をしようか、なのはちゃん」
「え?」
「ミッドチルダにはな、女性同士でも子供が作れるんやて。私らの世界じゃ信じられへんけど、ここじゃ既にそういうことも出来るんよ」
「それとどういう関係が」
どこかで聞いた話だ、と思った。それはすぐに思いあたる。取り出した……の核を、それから再び胎内に――、など異世界の言語のような言葉の羅列を、何故はやてちゃんが並べているのか。
答えは一寸先にあった。
「――ヴィータちゃんが?」
地獄の底から届けられた轟きが喉を通って吐き出された頃、その部屋には自分以外に二人の女性がいた。
騎士甲冑を身に着けた八神はやてと、いつからいたのか、黒いスーツに身を包んだフェイト・テスタロッサ・ハラオウンは、静かに私を見つめていた。
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