その境界線は。
高町なのはを全力全開で愛していく。そんな小説を書いてます。
Reinforce 2007/09/24
なのヴィ。
最初はネタのつもりでしたが、気付けば真面目に書いていたという。
なのはとヴィータの結婚話です。
26話で思わず。ネタバレはないです。ただの妄想〜w
自分にしては珍しくほのぼのですね。
Reinforce
蒼天の元、祝福の風が吹いていた。
リインフォースIIが、小さな花束を両手に抱えやってきた。
白に身を包むのは、戦場でエースオブエースと名を轟かせた高町なのは。そして鉄槌の騎士ヴィータ。今はその影を潜め、静かに身をおく。
二人は誓いの口付けを交わす。
純白の薔薇の花びらが舞い、祝福のエールが贈られる。
なのはは相手の瞳を数秒見つめた後、この式を祝いにやってきてくれた皆に振り向き、満面の笑顔をしてみせた――。
それにしても、とはやては呟く。
「なのはちゃんとヴィータが結婚なんてびっくりやわ」
そこには乾笑で答えるなのはに、心底居心地悪そうに佇むヴィータの姿があった。だがそれでもはやては笑った。ヴィータの頬が赤いのはそこにいる誰もが気付いていた。
式と披露宴を終え、今は来訪客も散り散りになっている。
古くからの友人と、旧六課メンバーを集めただけの小さな式だった。同性という負い目もあったのだろう。なのははヴィータにプロポーズをする時に「いつか式を挙げるときは内輪だけでしよう」と告げていた。
祝福者は少なくていい。ただ、自分達の大切なひとが祝ってくれれば幸せだから。
もっともヴィータは本当に祝福してくれるものなどほんの人握りとも思っていた。相手はあのなのはである。どういう廻り合わせか、一生の運を遣い果たしたのか、なのはは自分などを好いてくれ、生涯を共にしようとまで言ってくれたのだ。伝えられた瞬間、涙を溢したヴィータを誰も責められはしない。
なのはもヴィータの頭を優しく撫でた。幾人もの女の子を無差別に落とし、女殺しとの異名を管理局内に馳せただけのことはある。
だがその時のヴィータにはどうでもよかった。
自分だけを見てくれるなのは。幸せにすると伝えてくれたなのはの表情が、今までで一番真剣だったから。
ただ嬉しさだけがヴィータの胸の内を満たしていた。
だがまあ、そんなものをぶち壊す人物というものはどこにでも存在する。
「そうだよ、なのはは私と、私と……」
「フェイトちゃん?」
「まあまあフェイトちゃん。分からんでもないよ、なんで私を選んでくれんかったんかって未だに悩むし」
「は、はやて!」
そこへ割り込むように口にした「あんたたちちょっとは落ち着きなさいよ」とはアリサである。隣にはすずかも微笑を湛えながら佇立していた。
この旧知の仲である五人の牽制役でもあるアリサがでてきてくれたことで、なのはは思わず安堵の溜息を漏らす。がもちろんヴィータの頬は引き攣っていた。仲の良いアリサのことだ。
「なのははあたしのものだっていうのに」
この言葉は容易に予想ができていた。
すずかも苦笑するしかない。
「アリサちゃん、その言葉はこの場にはちょっと」
そしてこの場においても不機嫌顔のアリサを宥めるなのは、という構図は、最近はなかったとはいえ、もはや見慣れた光景だった。
「ふ、ふん、しょうがないから見守っててやるわよ」
「私も同意かな」
「せやねー、なんやかんやで、仲が良いのは皆知ってるやろうし。せやからフェイトちゃんはそんな落ち込まんとき。ああ、睨んでもあかんで」
「無理だよはやて」
一番の障害はこいつ以外にいなかった、とヴィータは反芻する。それこそ背中を冷や汗が否応なく伝うほどである。よくもまあ自分は命を落とさなかったものだ、とほとほと感心していた。そんな苦労も、なのはの笑顔を見てしまえば吹き飛んでしまうのだから、やはり自分は単純なのかもしれない。
ヴィータは隣で微笑むなのはの顔を仰ぎ見た。その表情は、両手いっぱいに抱えられるほどの幸に彩られていた。ヴィータもつられて口元が緩む。
「少し淋しいけど……なのはおめでとう。幸せになって」
フェイトの言葉に、は?と問い返しそうになった所で、脳に思念通話が叩き込まれた。
(なのはを泣かせたら殺すから)
(……おっかねえな、おい。つかてめーは今までずっと殺す気満々だったろーが)
(覚えてないよ。でも私のこの言葉は覚えておいてね)
(くそ、当たり前だろうが。なのはのことはあたしが全力で守る)
もちろんそんなやり取りなど露ほどもしらないであろう相手は、感極まる余りに、抱きつく始末だ。
「フェイトちゃん、ありがとう嬉しいよ」
今すぐアイゼンを振り回したい。が、幸いといっていいのか、ヴィータはその場に持ってきていなかった。
視線を逸らし呆れの溜息をつくだけに留める。
いや、にやけたフェイトと何も知らないなのはの姿を直視したくないだけだったのだが。
何年経とうが、距離がどれくらいはなれていようが変わらないお互いの関係。心地良さに目蓋を落とし――それから一人の少女が、小さな歩幅で駆け寄ってきていた。
左右に結った金色の髪をなびかせ、中心では紅と翠が輝く瞳をした少女が近づくと、なのははその少女の名前を呼んだ。
少女もまたなのはのことを呼んだ。
「ヴィヴィオ!」
「なのはママっ」
抱擁を交わす。そんな二人の姿を、その場にいた皆が暖かい眼差しで見詰めていた。
皆と別れ、三人は帰路を辿っていた。
胸に広がるものは暖かく、受ける眩しい陽光も爽快だ。
「なのは」
「ん?」
「あたしのこと、し、幸せにしろよ!お、お願いだから浮気なんてすんなよっ」
「当たり前だよ」
「じゃあヴィヴィオがなのはママのこと幸せにしてあげるね」
「ふふ、ありがとう」
「ヴィータお姉ちゃん、……じゃなかった、えっと」
少女は拙いながらも、成熟した精神をもつ。一つの悲劇が確実に通り過ぎていったからなのだが、もちろんそれを顕わになどしない。
少女は強かったのだ。
そして、少女の親となった、二人の女性も弱さを内に秘めながらも、やはり強くあった。今こうして三人が共に居られること、そのものが証明となるだろう。
笑顔が輝く。何者にも邪魔のできない世界がそこにある。
「ヴィータママも、ヴィヴィオが幸せにするからね!」
「……ああ」
見上げる三人の瞳に空が映される。
高く昇る太陽が三人の頭上に降り注ぐ。
晴れ、のち、笑顔。
この日世界で一番の幸福を、なのはとヴィータは全身で受けていた。
× あとがき ×
幸せな三人というものがね、書きたかったのです。
なのはとヴィヴィオ、そしれヴィータはStrikerSで一番苦労した三人だと思うのですよ。
幸せになってほしいな。
最初はネタのつもりでしたが、気付けば真面目に書いていたという。
なのはとヴィータの結婚話です。
26話で思わず。ネタバレはないです。ただの妄想〜w
自分にしては珍しくほのぼのですね。
Reinforce
蒼天の元、祝福の風が吹いていた。
リインフォースIIが、小さな花束を両手に抱えやってきた。
白に身を包むのは、戦場でエースオブエースと名を轟かせた高町なのは。そして鉄槌の騎士ヴィータ。今はその影を潜め、静かに身をおく。
二人は誓いの口付けを交わす。
純白の薔薇の花びらが舞い、祝福のエールが贈られる。
なのはは相手の瞳を数秒見つめた後、この式を祝いにやってきてくれた皆に振り向き、満面の笑顔をしてみせた――。
それにしても、とはやては呟く。
「なのはちゃんとヴィータが結婚なんてびっくりやわ」
そこには乾笑で答えるなのはに、心底居心地悪そうに佇むヴィータの姿があった。だがそれでもはやては笑った。ヴィータの頬が赤いのはそこにいる誰もが気付いていた。
式と披露宴を終え、今は来訪客も散り散りになっている。
古くからの友人と、旧六課メンバーを集めただけの小さな式だった。同性という負い目もあったのだろう。なのははヴィータにプロポーズをする時に「いつか式を挙げるときは内輪だけでしよう」と告げていた。
祝福者は少なくていい。ただ、自分達の大切なひとが祝ってくれれば幸せだから。
もっともヴィータは本当に祝福してくれるものなどほんの人握りとも思っていた。相手はあのなのはである。どういう廻り合わせか、一生の運を遣い果たしたのか、なのはは自分などを好いてくれ、生涯を共にしようとまで言ってくれたのだ。伝えられた瞬間、涙を溢したヴィータを誰も責められはしない。
なのはもヴィータの頭を優しく撫でた。幾人もの女の子を無差別に落とし、女殺しとの異名を管理局内に馳せただけのことはある。
だがその時のヴィータにはどうでもよかった。
自分だけを見てくれるなのは。幸せにすると伝えてくれたなのはの表情が、今までで一番真剣だったから。
ただ嬉しさだけがヴィータの胸の内を満たしていた。
だがまあ、そんなものをぶち壊す人物というものはどこにでも存在する。
「そうだよ、なのはは私と、私と……」
「フェイトちゃん?」
「まあまあフェイトちゃん。分からんでもないよ、なんで私を選んでくれんかったんかって未だに悩むし」
「は、はやて!」
そこへ割り込むように口にした「あんたたちちょっとは落ち着きなさいよ」とはアリサである。隣にはすずかも微笑を湛えながら佇立していた。
この旧知の仲である五人の牽制役でもあるアリサがでてきてくれたことで、なのはは思わず安堵の溜息を漏らす。がもちろんヴィータの頬は引き攣っていた。仲の良いアリサのことだ。
「なのははあたしのものだっていうのに」
この言葉は容易に予想ができていた。
すずかも苦笑するしかない。
「アリサちゃん、その言葉はこの場にはちょっと」
そしてこの場においても不機嫌顔のアリサを宥めるなのは、という構図は、最近はなかったとはいえ、もはや見慣れた光景だった。
「ふ、ふん、しょうがないから見守っててやるわよ」
「私も同意かな」
「せやねー、なんやかんやで、仲が良いのは皆知ってるやろうし。せやからフェイトちゃんはそんな落ち込まんとき。ああ、睨んでもあかんで」
「無理だよはやて」
一番の障害はこいつ以外にいなかった、とヴィータは反芻する。それこそ背中を冷や汗が否応なく伝うほどである。よくもまあ自分は命を落とさなかったものだ、とほとほと感心していた。そんな苦労も、なのはの笑顔を見てしまえば吹き飛んでしまうのだから、やはり自分は単純なのかもしれない。
ヴィータは隣で微笑むなのはの顔を仰ぎ見た。その表情は、両手いっぱいに抱えられるほどの幸に彩られていた。ヴィータもつられて口元が緩む。
「少し淋しいけど……なのはおめでとう。幸せになって」
フェイトの言葉に、は?と問い返しそうになった所で、脳に思念通話が叩き込まれた。
(なのはを泣かせたら殺すから)
(……おっかねえな、おい。つかてめーは今までずっと殺す気満々だったろーが)
(覚えてないよ。でも私のこの言葉は覚えておいてね)
(くそ、当たり前だろうが。なのはのことはあたしが全力で守る)
もちろんそんなやり取りなど露ほどもしらないであろう相手は、感極まる余りに、抱きつく始末だ。
「フェイトちゃん、ありがとう嬉しいよ」
今すぐアイゼンを振り回したい。が、幸いといっていいのか、ヴィータはその場に持ってきていなかった。
視線を逸らし呆れの溜息をつくだけに留める。
いや、にやけたフェイトと何も知らないなのはの姿を直視したくないだけだったのだが。
何年経とうが、距離がどれくらいはなれていようが変わらないお互いの関係。心地良さに目蓋を落とし――それから一人の少女が、小さな歩幅で駆け寄ってきていた。
左右に結った金色の髪をなびかせ、中心では紅と翠が輝く瞳をした少女が近づくと、なのははその少女の名前を呼んだ。
少女もまたなのはのことを呼んだ。
「ヴィヴィオ!」
「なのはママっ」
抱擁を交わす。そんな二人の姿を、その場にいた皆が暖かい眼差しで見詰めていた。
皆と別れ、三人は帰路を辿っていた。
胸に広がるものは暖かく、受ける眩しい陽光も爽快だ。
「なのは」
「ん?」
「あたしのこと、し、幸せにしろよ!お、お願いだから浮気なんてすんなよっ」
「当たり前だよ」
「じゃあヴィヴィオがなのはママのこと幸せにしてあげるね」
「ふふ、ありがとう」
「ヴィータお姉ちゃん、……じゃなかった、えっと」
少女は拙いながらも、成熟した精神をもつ。一つの悲劇が確実に通り過ぎていったからなのだが、もちろんそれを顕わになどしない。
少女は強かったのだ。
そして、少女の親となった、二人の女性も弱さを内に秘めながらも、やはり強くあった。今こうして三人が共に居られること、そのものが証明となるだろう。
笑顔が輝く。何者にも邪魔のできない世界がそこにある。
「ヴィータママも、ヴィヴィオが幸せにするからね!」
「……ああ」
見上げる三人の瞳に空が映される。
高く昇る太陽が三人の頭上に降り注ぐ。
晴れ、のち、笑顔。
この日世界で一番の幸福を、なのはとヴィータは全身で受けていた。
× あとがき ×
幸せな三人というものがね、書きたかったのです。
なのはとヴィヴィオ、そしれヴィータはStrikerSで一番苦労した三人だと思うのですよ。
幸せになってほしいな。
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アリサ×なのは

comments
皆が皆どこかしら壊れてるところがなんとも(笑
なのはさんが追い詰められててこの先どうなってしまうのか心配です。
それから。
なのヴィ結婚きたー!
幸せそうな二人、すばらしいです。
読んでいただいてありがとうございます♪
ヴィータはもちろん、なのはもはやても壊れてますね。。フェイトは多分次にわかるとして、なのはは壊れてるけど、中途半端に理性や自制や、まだまっとうな思考ができてるから逆においつめられていくんでしょうね。
なのヴィは幸せになってほしいです。ぜひとも!
たぶん六課が解散しても教導隊なのは変わらないはずだから、同じ仕事することもある、んじゃないかな?たぶん。
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