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2019-07

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幸福の在処 *章 騎士の外れで

注:蛇足かもしれない。
エピローグというよりは補足的な位置づけです。なのはとヴィータの後日談的なお話。なのですっきりとした気分で終わりたい人は、これ読まずに六章でやめておくことをオススメします。というよりなのヴィが好きでない人は回避したほうが良いです。。
本編を改めて読み返すと、結構なのはさんが酷くなってて、なんとか名誉挽回しようと試みたところ、ただのヘタレになってしまった。
いや、いろいろあって精神的に弱ってるんですよなのはさん。……と言い訳してみた。
ちなみになのはとヴィータしかでてきません。ヴィータサイド補足なので。
あとR指定
……この二つから内容を察してくださいw

長くなりました。
それでもいい、という寛大かつ無謀な方はどうぞ。



 幸福の在処 *章 騎士の外れで


 不意にドアがこつこつと鳴らされた。部屋の主は読みかけていた日記を閉じ、引き出しの奥深くに仕舞い込んだ。主は扉を開けた。夜間の訪問者だったが、それほど警戒することなく扉を開く。
 おう、と部屋の中に招き入れる。
「こんばんは、ヴィータちゃん」
 そこにいたのは、部屋の主が世界で一番護りたい人だった。

 あれから数週間が経っていた。なのはは変わらずに新人達を扱き、能力を引き上げ、後の訪れる事件に備えるため大切に育てていた。ヴィータもせめてと教導に顔だけはだすようにした。見るだけなら、問題はない。なによりヴィータ自身が彼女達の成長を見守りたかった。
 その日もヴィータは熱射が降り注ぐ中、厳しい顔つきで四人と一人を見詰めていた。動かないとはいえ、汗がそこかしこから噴き出し、スターズの白いTシャツはぐしょぐしょだった。
 シャワーを浴び、頭を乱暴に洗う。着ていたものと別の白いTシャツだけを身につけると、机にしまいこんでいた日記を開いた。はやてから初めに一冊プレゼントされたことで始めた日記だ。がらでもない、と跳ね返すこともできたがしなかった。ヴィータははやての気持ちを汲み取れないほど子供ではなかった。
 始めた当初はすぐに飽きてしまうだろうと予想していた日記はこうして今まで続いていた。
 だがそれももう終わりである。パラパラと捲ると、挟んでいた写真が床にこぼれた。ずいぶんと古い。それもそのはず、手書きのメッセージと共に裏に打ち込まれた日付は、八年前のものだった。退院の日、病室でなのはと無理矢理撮らされた写真が酷く懐かしい。手にとって、目を細めながら眺めた。
 いまだ包帯の残るなのはが、後ろからヴィータの首に手を回し、にっこりと微笑んでいる。対してヴィータは人生で上から三位以内にランクインするほどに頬を染め、自身の首に絡められたなのはの腕を引き剥がそうと足掻いている。ヴィータは否定するが、第三者から見れば十分仲睦まじい光景が写しだされていた。
 裏返すと可愛らしい文字がある。
『大好きなヴィータちゃんと』
 扉をノックする音が部屋に響いた。なのはだ。

 写真の面影を残しつつもすくすくと伸びた彼女に、成長の出来ないヴィータは軽い羨望を覚える。人間になりつつあるとはいえ、外面的な肉体の変化は今のところない。それに比べて、微かに口元を緩めただけの笑みを浮かべる彼女は、もう少女と呼べるほど幼くはない。立派な一人の女性だった。
「久し振りだけど、部屋変わってないね」
「当たり前だろ。模様替えなんてしないし」
「そうなんだけどさ、たった数週間だけど懐かしい気分になっちゃって」
「そうかよ」
「そうだよ。よかった」
 立場所に困るなのはに、ベッドを指し示した。少し迷いを見せたものの、すとんと腰を下ろす。ヴィータ自身は作業用ディスク前の椅子に座った。
「あ、ヴィータちゃん体調は?」
「どってことねー。気にすんな」
「気にするって」
「まあ、お前はそうだろうな」
 ふっ、と笑った。その笑みにいくらかの力が抜けたのか、なのはも強張っていた表情を緩めた。
 なのはは突然、ベッドに両手をつきながら俯いた。
「ごめんね」
 謝罪とともに。ヴィータには意味が分かったけれど、分からないふりをしてみせた。
「何が」
「ん、ごめん」
「……ばーか。いいよもう」
 しかしそれも一度だけ。それ以上は誤魔化さない。
 ヴィータはなのはの目を見詰める。なのはもヴィータを見詰め返す。
 沈黙が二人の間を横たわる。そしていつものように、なのはがそれをどけた。なのはは誰よりも、ヴィータとはいつも笑い合っていたかった。たとえ不貞腐れた顔をされようと、つれない反応を返されようとも、なのははヴィータとの他愛のないやりとりが楽しくて仕方がなかった。
 だからこそ今のこの状態は望ましくない。自分が悪いとはいえ、やはり気持ちは沈んでいく。
 ――謝らないと。
 それからきちんとした終焉を。
「ヴィータちゃんあのさ」
「なんだよ」
 手の平で待機状態のグラーフアイゼンを転がしていたヴィータが応える。アイゼンを指で弄っていたものの、目線はちらちらとなのはの向かっていった。
 なのはにそれを察する余裕はもちろんない。ただ一つ。はやてから話をきいたときからずっと思っていた。
「触っても、いいかな」
「……思う存分」
 ヴィータは立ち上がる。ベッドに腰掛けたままのなのはの傍に行って立った。なのはがシャツの上から恐る恐る触れる。通常より成長速度がはやいとはいえ、まだ反応はない。だけど、となのはは呟く。
「暖かいよ、すごく」
 なのはベッドから降りると、跪くようにしてヴィータのヘソの辺りに唇を押し当てた。いきなりのことで驚くが、決して嫌な気分ではない。むしろ嬉しいくらいだ。
「あ、と。ごめんね、つい」
 慌てる彼女に、ヴィータは笑った。
「直にでもいいよ」
 しばし首を捻るなのはだったが、意図を理解し、慌ててヴィータを見上げた。不安げな彼女がどこか子供っぽくて、頭を撫でた。彼女の頭を抱える。
 それに気分をよくしたなのはは両親指でシャツを少しだけ上にずらして、へその下の方に口付けを落とした。そこで終わる、とヴィータは思っていたが、なのはの唇がそのまま下腹部の方へおりていき、気付いてから慌てて離れようとしたが、既に遅かった。
「んんっ」
 なのはの唇は下着越しに押し当てられ、舌が割目をなぞる。不用意に敏感な部位を刺激され、ヴィータは思わず声を漏らした。知り尽くした相手の一番良い場所をなのははついてくる。数分もしないうちに、下着はその意味を成さなくなっていた。
 そしてその下着も、なのはの手によって横にずらされ、舌が突き入れられ、抜かれ、秘豆を舐め上げられた。直に感じた衝撃に、ヴィータは体を震わせた。ピチャリという水音と、ヴィータの喘ぎだけが部屋を満たしていた。達するのは早かった。
「……っ、ぁ……」
 そこから離れたとき、なのはの口周りはヴィータの体液と自らの唾液で塗れていた。ヴィータはそれをみて、思わずごくりと喉が動く。相手の肩に手をおいて、ようやくヴィータは立っていられる程度だった。吐き出される息は荒い。意識せずに、期待が湧き上がってしまっていた。
 これはなのはがいつも、ヴィータを抱く時に行う前の儀式のようなものだった。それを今この時にしてしまったことに一番驚いたのは、されたヴィータではなくなのは自身だった。
 癖というのは怖い。体が無意識のうちに動いてしまうのだから。
「ご、ごめんっ」
 我に返ったなのはが慌ててヴィータから離れる。当然肩に重心を置いていたヴィータは支えを失い、前のめりに倒れこんだ。なのははなんとかヴィータを支えるものの、逆に危うい体勢となっていた。
 脱力したヴィータが首筋に顔を埋めてくる。なのははそれを押しのけようとして、しかし離れなかった。抵抗となっている背中に回した腕は、なのは自身のものだったのだ。引き剥がそうとするも、離れてくれない。追い討ちのように、普段はそっけないヴィータの甘えた声が耳に囁きかけてきた。
「あたしは大丈夫だから……」
「え……?」
「だから、なにょは……、お願い」

 その声が魅力的過ぎたというのももちろんあったが、なのはの理性はそれほど脆くはない。しばらく誰とも体の交わりがなかった、ということも加わっていたが、それでも押し留められるだけの意志力はなのはにはあった。
 だからそれを崩したのは何物でもない。ヴィータの酷く悲しげに伏せられた瞳だった。
 今泣いているのは隣の少女。小さな体をめいっぱい動かして頑張る女の子だった。
 無駄だとは思ったがなのははありったけの謝罪を告げようとして、ヴィータの声に塞がれる。
「ごめんな」
 言おうとしていた言葉を先に言われ、どうしていい分からずに狼狽する。
「最後だから、そんなに動揺しないでくれよ。もう二度と求めたりなんてしない。大丈夫だよ」
「ヴィータちゃん……?」
「本当は別れ話、だろ。分かってるさ。だから最後にって……ごめんな、諦めが悪くて」
 自分なりのケジメをつけるつもりだった。
 だけどつけたのは、ヴィータではないか。部屋にフェイトを待たせて、そして自分はなにをしていたのか。
 背を向けたヴィータ。裸体のままの彼女をそのままに抱き締めた。よってヴィータは背中でなのはの胸の感触を味わうことになったが、十分に堪能できる状態ではなかった。嗚咽はまだ続いている。
 なのはは優しく振り向かせて、涙を払った。以前ならば舌で拭ったところだが、もうそれはできない。なのはなりのケジメだった。
「確かにヴィータちゃんとはもうこういうことは出来ないけど」
 その言葉に、小さなヴィータが腕の中でびくりと体を震わせる。
 そうじゃない、怯えさせたいんじゃない。ただ安心させたかったのに。いつのまに彼女は自分の一言一言に怯えるようになってしまったのだろうか。
 思えばここ数週間、平常を装っていても、どこかで一歩引いた場所にヴィータはいたような気がする。
 ――だからただ安心させてあげたかった。
「全く会えないってわけじゃない。キスも、抱き合うことも出来ないけれど。笑い合って、くだらない話で盛り上がって、じゃれ合うくらいはきっといい。そんなの誰にも邪魔させないよ」
「だっ……て、お前はもう、フェイトの……」
「うん。だけどねヴィータちゃん。フェイトちゃんにだってそんな権利ない。そして何よりフェイトちゃんはそんなことで文句言ったりしないよ。友人との触れ合いまで奪うわけがない」
 言えた義理じゃないけれどね、となのはは付け足す。
 それで安心したようだった。疲れもあったのだろう。しばらくしてヴィータはなのはの腕の中ですうすうと寝息を立てはじめた。
「おやすみ、ヴィータちゃん」
 起こさないようにゆっくりと体を離し、なのはは扉を閉めた。
 ありがとう。そんな声を背中で聞いたような気がした。



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● COMMENT FORM ●

はじめまして。一気に読ませていただきました。
最初は、というか5話までは「バッド直行だ~」とかwktkしながら読んでました(ぇ
でも、まさかのラストに驚きと感心でした。
この終り方がハッピーかはわからないんですが、色々考えるとトゥルーENDなのかな、と。
違和感や矛盾なく、この展開に持っていける力が凄いな、と心底思いました。
もし、自分が考えたら、間違いなくBAD直行ですww
後、なのは×はやては、このサイトにくるまで未見だったので、新鮮で意外でした。でも、大アリです!
ヴィータとか、フェイトとか、衝撃が大きいシーンありましたけど、自分はこういうの全然OKです!むしろ大歓迎ですwバシバシ百合して病ませてくださいw

コメント長くなってしまってスイマセン。

>羅針盤さん
はじめまして、西野加奈です。
小説を読んでいただき、ありがとうございました。

もしやバッドエンド好きですか?w
私はしばしハッピーエンドかバッドエンドか判別しにくい話を書くのですが、これは比較的ハッピーエンドな部類かとおもいます。途中がどろどろでしたが、まあそういう話ですのでしかたないですよね。
自分の話は、あまり救いのなさそうな話でも、どこかに救いを作り、また幸せそうに見える話でも、どこかに綻びの種を残して終わる。そんな感じです。これからさきの展開を考える余地があったほうが、面白いようなきがして。
とまあ話が変なほうにいってしまいましたが。

なのは×はやて(もしくははやて×なのは)、気に入っていただけて嬉しいです。アリですよね!案外はやても不器用なので、もどかしい感じがいいと。
この話ではなのはの片思いでしたが、他の話では不器用なはやてががんばる予定なので、長い目でみてやっていただけたらと。

これからも精進し、がんばりますので、またお暇がありましたら読みにきてやってください。


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