2017-09

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

こんな序章はどうだい?

過去に巡る夜天の主の中には「高町なのは」がいたというIFのつづきというかなんというか。はじまり。
タイトルは考え中です。

それでは続きより。



 0.

「これはずっと前から感じてたことなんやけどね、なのはちゃん」
 秋の隙間から彼女が問いかけてくる。肩までの髪をふわりと風に纏うその少女ははやてちゃんで、どうしてか私は彼女のそんな仕草にどきりとしている。ひどく痛い。意味もわからずに胸を握りたい衝動を抑えつつ彼女のほうを振り向いた。
「もしかして、私らってどこかで繋がっているんやないかなあ」
 なんや、なのはちゃんを見てるとな、たまに懐かしい気持ちになるんよ――そうはやてちゃんは言った。
 きっとこの胸の痛みは、懐古が心の深くに染みこんでいるから。だからだと私は考えてみる。けれど懐かしくなるような出来事が、なにか彼女との間にあっただろうか?
「それはもしかして、ヴィータちゃんやシグナムさんたちを見ているときのような」
 彼女は頷いた。私は問いかけておいて、どう言葉を続けたものかと悩んでしまう。懐かしい、懐かしい、それから苦しい。原因がわからないからこそ、いっそうの不安に駆られる。
 冬に差し掛かる前の、肌がひりひりとするような寒さに、私はコートを着てこなかったことを後悔する。一方彼女はジャケットを着ていた。見覚えのあるそれは、おそらくは家族に来ていくようにといわれて持って出てきたのだろう。はやてちゃんのことに関しては途端に心配性になる人たちだから、不思議ではない。私はくすりと笑みをこぼす。けれど私はなぜ、そんなにも彼女の騎士たちのことを知っている気がするのか、それが一番不思議だった。
「わたしも、ほんの少しだけはやてちゃんを見ていると」
 胸が痛い。大切なものが目の前にあるような気がしている。けれど絶対に手が届かない場所にあるんだと、実は知っている。それが何であるのかまでは分からずに、尚更苦しい。
 冷たい空気を肺に吸い込めば吸い込むほど、反するように指の先から燃えるような熱を感じる。けれどその一瞬後では、凍りつくほどの冷たさに身が震えてきて、私はつい頭を振った。
 目を瞑る。まぶたの裏側の暗い世界の中には、当たり前のように何もない。何もないのだけれど、そこには確かに何かがあった。とても大切だった何かが。
 痛みを頼りに、私は口を開く。愛しい想いをそっと撫でるように。
「……ねえはやてちゃん、どうしてかな」
「ん?」
「はやてちゃんがじゃなくて、はやてちゃんの中にあるものが、とても懐かしいよ」



[ WEB CLAP ]

● COMMENT FORM ●


管理者にだけ表示を許可する

当たり。 «  | BLOG TOP |  » 拍手返信なの95

Web Clap

ご意見、ご感想などあればどうぞ。
  

Recent Entries

Categories

Novel List

― Short Story ―
アリサ×なのは
心が君の名前を呼んでいた
違えた道の端  前編 / 後編
すずか×なのは
無想と空想と、紋黄蝶
フェイト×なのは
No title...フェイトver
あなたを想って流した涙は
溶けた灰色の小石
白 -white-
穴の開いた箱
なのはへ。
ヴィータ×なのは
StarDust
21.5話妄想
No title...ヴィータver
大切な Trash Box
誰よりも君に笑ってほしくて
Reinforce
真紅のグラス
Limited Sky
強奪者
蒼い棘
薄氷の上で
摩擦熱
あやふやな星
語ろうとした震え
消えない夕立ち
青と白、それから赤
優しい境界線
はやて×なのは
Sky Tears  SIDE:H / SIDE:N
夜色の羽根
eyes on...
孤島の夢
なのは×リインフォースII
小さな涙
スバル×なのは
君は空しか知らない、僕は大地しか知らない
ティアナ×なのは
月明かりよりも頼りない
貴女の血の味すら
失われた部分と残された部分
命を吹き込まれた落葉
台所で。
求めるままの逃亡
涸れた土
ティアナの適当に幸せな一日
迷子へと示す道標  1 /  /
Don't shake off.
空さえ貴方の前を覆わない  前 /  /
窓を打つ雨みたいな恋
月が堕ちてきた
もっとも不誠実な恋人
世界の終わり
銀朱の残照
僕に重ねて、君は夢をみて
ヴィヴィオ×なのは
掌で心をころがして
擬似家族
小さな声で求めて
蜂蜜
硝子内のひめごと
レイジングハート×なのは
午睡
虚空の紅玉
その他
ヴィヴィなのフェイもどき
SHOUT!  前編 / 後編
猫と主と変質者。
なのはにチョコをプレゼントされたときの台詞
なの!!
雷の憂い

― Long Piece Novel ―
幸福の在処
目次
星たちの休日
 /  /  /
別の世界を願うなら
設定 / 目次 / あとがき
追憶の色に埋もれて
目次 / あとがき
秋、はらむ空
前書き / 目次 / 後書き

― Project Story ―
聖夜 ……目次
拍手SS
一代目 手を伸ばして
二代目 時間
二代目 光の章/夜の幻
描写する100のお題 ……目次
陽の中に塗りこめて。 ……目次
振り返る ……目次

About

魔法少女リリカルなのは二次創作物、主に小説を扱っています。
このブログ内で使用している文及び画像の転載は、例外なくご遠慮下さい。

◇小説の傾向
なのはが絡んでいる百合、修羅場が多め。
なのはさんをめためたに愛し、いじめていきます。

◇リンクについて
リンクフリーですが、貼っていただく場合には下の本館にお願いします。
本館:

何かありましたら下まで。
kone6.nanoなのgmail.com(なの⇒@)



Profile

Author:秋庭加奈
リリカルなのはが大好き。
なのはさん溺愛。そしてゆかりさんにめろめろ。
詳しいプロフィールは本館のMYSELFに。

Pixiv

Monthly Archive

08  07  04  07  02  06  03  08  07  06  02  01  11  08  07  06  06  05  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09 

Link

その境界線は。(本館)

Search Area

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。