2017-09

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

愛しい人の手はとても伸ばしがたい

申し訳ありません、腑抜けていました。
自分が文章を書くのにはいくつか理由というか、原動力があるんですが、それの一つが欠けていてどうにも指が動きませんでした。あと一ヶ月ちょっとは無理かもしれません。
そして長編はまったくです。ごめんなさい。返信してなくてごめんなさい。次回には必ず。
そしてなのはの映画はどれも遠くて見れていないというね。

続きに、とても短いはやなの←フェイの話。
あ、バレンタインはまったく関係ありません。

フェイトさんが想いを伝えることを決心したら、たとえどれだけはやてとなのはが想い合っていてもフェイトの気持ちを飲み込むんだろうと思います。
侮辱?でもフェイトさんはなのはさんがすべてだから。それにフェイトにはプライドよりも大切なものはある。握りつぶしてでもかなえたい想いっていうのが、あるに違いない。もちろんそれ以前に、はやてもなのはも気付かせないだろうけれど。
そんなことを片隅に置きつつ、どうぞ。




 愛しい人の手はとても伸ばしがたい


 寒い冬の日の夜には彼女の手が欲しくなる。家族を作り出すそのおおきくて温かな手が、私にはとても神聖なものに思えて、無断で手を伸ばすことはためらわれた。だからたずねた。
「ねえ、はやてちゃん。手をつなごうか」
 彼女は当然首をかしげる。どうしたんや、と柔らかな口調が宙に漂い、私はその雲を拾いたくなった。
「いきなりやね」
 ちがうよ、ずっと考えていた。どうすれば彼女の手を握れるのか、この岐路はそればかりを考えていた。
「はやてちゃんの手ってあったかいからね、寒い夜には欲しくなっちゃうの」
「ふうん」
「だめかな」
 彼女は首を振った。私は内心で安心をする。ほっと、白い息と共に胸の中のわだかまりを吐き出した。
「あー、なのはちゃん」
「なあに」
「今な、どきっとした」
 私は彼女のその言葉にどきりとした。
 だけれども幸せが続くのは高町家の門の前まで。送り届けてくれた彼女に礼をいって、惜しみながらも手を離す。指を一本ずつ引き剥がすように、だけれどもこれ以上お互いが寂しくならないよう、すみやかに分かれる。
 愛の言葉はなかった。もちろん別れ際の口付けもない。理由はすぐ振り返った先にある。だからはやてちゃんの背中を見送った後、半身をひるがえしてから初めてその子に声をかけた。その子が頷くとき、共に長い髪も揺れる。空中に雪の結晶がみえるくらい冷えた唇を震わせて言った。
「おかえり、なのは」
 月明かりよりも淡い金の光が、先ほどの彼女の背中と同じくらい孤独に揺れて、私は不思議と目の前の人に、はやてちゃんを透かし見ていた。
 目の前のその子に抱きしめられながら空を仰ぎ見る。真っ暗だ。何も見えない。私は最後に囁かれたはやてちゃんの声に耳を澄ませながら、それから星一つ瞬かない暗がりを視界から追い出した。
 ――ごめんな、なのはちゃん。そこへ送り届けることしかできんで。私にはそこから連れ出す手を、持ってへんから。
 その手を持っているのはあの子や、と彼女は言った。私はそんなことはどうでもよく、どこへも行かず、ただ彼女と手をつないだままでよかったのだ。けれど彼女は、私が結局そういった状況を許さないということを知っていた。大切な人の気持ちを跳ね除けることなど尚更できないということも。
 彼女、はやてちゃん以外の腕に抱かれ、きつく締め付けられた胸は悲鳴を上げていた。瞼もきつく閉じた。あと空いていたのは何もつかまない手のひらだけ。私は仕方なく握り締めて呼吸している。
「なのは、冷えるよ。中へ入ろう。私があたためてあげるからね、私がちゃんと……ねえなのは」
「うん、とてもあたたかい」
「……ああ、幸せだよなのは」
 雪の降らない夜の空は、溢す涙もみつけられないくらい途方もなかった。


[ WEB CLAP ]

● COMMENT FORM ●


管理者にだけ表示を許可する

現状報告 «  | BLOG TOP |  » あけましておめでとうございます

Web Clap

ご意見、ご感想などあればどうぞ。
  

Recent Entries

Categories

Novel List

― Short Story ―
アリサ×なのは
心が君の名前を呼んでいた
違えた道の端  前編 / 後編
すずか×なのは
無想と空想と、紋黄蝶
フェイト×なのは
No title...フェイトver
あなたを想って流した涙は
溶けた灰色の小石
白 -white-
穴の開いた箱
なのはへ。
ヴィータ×なのは
StarDust
21.5話妄想
No title...ヴィータver
大切な Trash Box
誰よりも君に笑ってほしくて
Reinforce
真紅のグラス
Limited Sky
強奪者
蒼い棘
薄氷の上で
摩擦熱
あやふやな星
語ろうとした震え
消えない夕立ち
青と白、それから赤
優しい境界線
はやて×なのは
Sky Tears  SIDE:H / SIDE:N
夜色の羽根
eyes on...
孤島の夢
なのは×リインフォースII
小さな涙
スバル×なのは
君は空しか知らない、僕は大地しか知らない
ティアナ×なのは
月明かりよりも頼りない
貴女の血の味すら
失われた部分と残された部分
命を吹き込まれた落葉
台所で。
求めるままの逃亡
涸れた土
ティアナの適当に幸せな一日
迷子へと示す道標  1 /  /
Don't shake off.
空さえ貴方の前を覆わない  前 /  /
窓を打つ雨みたいな恋
月が堕ちてきた
もっとも不誠実な恋人
世界の終わり
銀朱の残照
僕に重ねて、君は夢をみて
ヴィヴィオ×なのは
掌で心をころがして
擬似家族
小さな声で求めて
蜂蜜
硝子内のひめごと
レイジングハート×なのは
午睡
虚空の紅玉
その他
ヴィヴィなのフェイもどき
SHOUT!  前編 / 後編
猫と主と変質者。
なのはにチョコをプレゼントされたときの台詞
なの!!
雷の憂い

― Long Piece Novel ―
幸福の在処
目次
星たちの休日
 /  /  /
別の世界を願うなら
設定 / 目次 / あとがき
追憶の色に埋もれて
目次 / あとがき
秋、はらむ空
前書き / 目次 / 後書き

― Project Story ―
聖夜 ……目次
拍手SS
一代目 手を伸ばして
二代目 時間
二代目 光の章/夜の幻
描写する100のお題 ……目次
陽の中に塗りこめて。 ……目次
振り返る ……目次

About

魔法少女リリカルなのは二次創作物、主に小説を扱っています。
このブログ内で使用している文及び画像の転載は、例外なくご遠慮下さい。

◇小説の傾向
なのはが絡んでいる百合、修羅場が多め。
なのはさんをめためたに愛し、いじめていきます。

◇リンクについて
リンクフリーですが、貼っていただく場合には下の本館にお願いします。
本館:

何かありましたら下まで。
kone6.nanoなのgmail.com(なの⇒@)



Profile

Author:秋庭加奈
リリカルなのはが大好き。
なのはさん溺愛。そしてゆかりさんにめろめろ。
詳しいプロフィールは本館のMYSELFに。

Pixiv

Monthly Archive

08  07  04  07  02  06  03  08  07  06  02  01  11  08  07  06  06  05  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09 

Link

その境界線は。(本館)

Search Area

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。