No title...フェイトver       2007/09/05

StS挿入歌「Pray」を聴いて唐突にかきたくなりました。
フェイト→なのはです。

すばらしく短いですが、それでもよければ続きよりどうぞ。


No title...


そっと。穏やかに眠る彼女の髪を撫でた。
右手の甲に触れる、柔らかな栗色の髪。閉じられた瞳からにじんだ涙。
穏やかに眠る一人の人。
そう、今は穏やかに眠っている。
――泣きつかれて、彼女は眠りに引き込まれたといってもいいだろう。
普段の天使のような寝顔は今は影を潜め、そこにあるのは疲弊しきった、だけれども幾分力の抜けた顔。
輪郭をなでても、呻き声ひとつあげはしない。

この人は。
なのははどれだけ苦しめばすむのだろう。
どれだけ自分を追い込んで、傷つければ幸せになれるのだろう。
誰にも探り当てることの出来ない彼女の奥底にあるもの。探ろうとすれば巧みに隠蔽されるそれ。
出会って十年たった今でも分からないのだ。きっと他の誰にも分からないだろう。
否、分かってしまわれては自分がたまらないのだ。
この人のことを一番分かってあげられているのが自分であって欲しいと願うから。
彼女のしたいこと、考えていること、悩んでいること、うれしいこと、悲しいこと全部を理解したい。
傲慢な考えとわかっていても、考えずにはいられない。
そして今最もそれが表に浮き出てきている。
彼女に悲しい顔をさせたものすべてが許せない。自分だって仲間だってそれから助けにいこうとしている対象も例外ではない。
おかしいだろうか、笑ってくれてももちろんいいよ。
そんなことは、自分にとってどうでもいいことなのだから。

再び指に彼女の体温を感じてから、ベッドを離れる。
手に握り締めるのは、頼もしい相棒で。握ればしっかりとした重量をもって感じられる。

もう一度、と振り向いた。
そこにあるのは変わらずに眠るお姫様。
穏やか過ぎて、このまま目覚めないのかもしれなくて。
だけど彼女は目覚めるだろう。そうして自分にいくつもの傷を刻みながら大切な人を助けに行くだろう。

だから目覚める前に。

もう行くよ、なのは――。
君の愛した人を取り戻しに。
そしていつかまた、本当の笑顔を私に見せて。
それだけでいい。
それだけでもう自分は、なにもいらないよ。

「さあ、行こうかバルディッシュ」
≪Yes,sir≫



× あとがき ×
フェイトはきっと、なのはを救うためならすべてを捨てる。
かなって。おもっただけです。ちょっと。大分。かなり。
フェイトの中では「なのは>>この壁は絶対にこえることなんか出来ない>>世界」かと。
No titleってあるのは、考えてないとかとりあえずというわけでなく、「No title...」そのものが題です。今の自分につける言葉なんて何も無いよ的な意味で。
ヴィータverも同じです。

短編◇フェイト×なのは | comments (2) | trackbacks (0) |
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comments

初めましてー

>>フェイトのなかでは「なのは>>この壁は絶対にこえることなんか出来ないんだZE>>世界」かと

わかってらっしゃるw

とても面白かったです。
これからのも頑張ってくださいー
by: sirosumi | 2007/09/07 | URL [編集] | page top↑
初めまして!
フェイとはやっぱりなのは至上主義であるかとw
スローペースではありますが、これからも頑張りますので、もしお暇があれば覗きにきてやってください。
by: 西野加奈 | 2007/09/08 | URL [編集] | page top↑

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