2017-08

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青と白、それから赤

素敵な絵をみつけた。だからなのヴィ書いた。短いよ。そして書きなぐり。やっぱりヴィータらの過去の主にじつはなのはがいた、的な話をかきたいなあ。
ヴィータ視点となのは視点でわかれてます。
よければ続きよりどうぞ。


 青と白、それから赤


 季節さえ移ろう夜の下で、なのはの姿を見かけた。月のない空が桜色の魔法光をより明るくさせて、あたしをひきつける。立ち尽くしたあたしにそのまま気付かなければいいのに、あいつときたら目ざとく見つけ、駆け寄ってくる。
「ヴィータちゃん」
「こんな夜中に、風邪引くよ」
「お前に言われちゃあな」
 笑う仕草にどきりとして、桜色の羽根が霧散するのに見とれた。愛嬌があるだけの彼女が、どうしてこんなにも惹かれるのか。
 出会いを思い出した。始まりがもっと違ったものならば、あたしは今よりも素直になれたんだろうか。
 さよならを言うと彼女は名残を一切残さずにあたしに背を向ける。
 再び夜空を見上げる、するとそこには一欠けらだけの忘れられた魔法光が落ちていた。それを手の中に収めてしまうと、ぎゅうっと握った。
「泣きたくなるよ、お前を見てると。なあ、なのは」


   ◇ ◇ ◇

 少女の立ち姿はどれだけ遠くにいても分かった。
 地上よりも親しい空の中にいて、誰にも気付けないだろう確信が私にはあった。それでも伝う汗を払いながら動きを休めてみれば、気付かないのが不思議なくらいの大きな存在感となってそこにあった。紅い髪をした愛らしい少女が私の方を向いている。こんな寒い晩に、ヴィータちゃんは一人きりでいる。
 そんな人が私を見守ってくれていたのだと分かって、胸にじんわりと溢れるのを感じた。あたたかくて優しい視線だった。訓練の最中だったが私は迷わず地に下りた。
「ヴィータちゃん。どうしたのこんなところで。風邪引くよ」
 何をしているかなんて知っていたのに、そんな言葉が勝手に口をついて出てくる。情けない。小さくて、この大きな少女の前では恥ずかしくないような人間でいたいのに。
「偶然通りかかっただけだよ。気にすんな、もう帰る」
 邪魔して悪かったな、と少女は言う。私はもちろん首を大きく振って否定した。
「今日が寒いってこと忘れてた」
「さっき自分で言ってただろ?」
「そうだよ。ヴィータちゃんの顔をみて思い出したの」
 暖かい彼女をみて、思い出したのだ。気付いた。今まで自分は寒かったのだと。そう思えば酷く身体が震えている。彼女も自分の肩を抱き、身を小さくしていた。これでは凍える少女を引き止めているようだった。だけど、私はまだ。
 湧き上がる気持ちが不意にこぼれる。私は慌てて口を塞ぐ。けれどもちろんそういった小さな言葉も拾ってくれて、嬉しかったけれど、今は説明がつかなくて黙ったまま笑った。
「じゃあまたね」
 ヴィータちゃんを置き去りにして、まるで逃げるような別れだった。
 彼女と偶然にも会えて本当ならもっと嬉しいはずなのに、今日に限ってはその場に居るのが辛かった。あの顔を見てしまったからだろうか。
 風邪を引いたわけじゃないのに胸が痛い。彼女が居なくなって、こんなにも寂しくなるのはどうしてだろう。
 知っていて、気付かない振りをした自分が酷く情けない。
「本当はね、もっと一緒にいたかったんだよ。ヴィータちゃん」
 何も考えず、寒いのを理由に抱き締めればよかった。


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