2017-08

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おさなき日の君

映画をみて書いてみるのが何故かヴィヴィなのっていうあれ

ヴィヴィオがなのはなのはいってるだけの話。
ああ縛り付けたいなあ。
この話の後、なのはさんがヴィヴィオの気持ちに気付いて苦悶し苦悩したあげく、世間や一般常識よりもヴィヴィオの気持ちを優先して“間違い”を起こせばいいのにと思う。



 おさなき日の君


 もう何時間こうしているだろう。
 ベッドに横になったままモニターを見つめている。幼き日の高町なのはの映る映像を、戦技を。空の中に居る世界一いとしい人を。
 空に浮かぶ彼女がとても綺麗で、そこに居るのがとても自然で。自分の今いるこの場所に再び帰ってこないことを想像する。そんなはずはないのに。あれは昔の彼女で、今は一番近くで笑顔をくれる人。
「なのはさん」
 モニター越しに触れる。空を切る。触れられない。温度が無い。それでも、画面の彼女に手を伸ばさずにはいられない。
「はやく帰ってきてよ、なのはさん」
 そして二度と出て行かないで。
 帰る保証も無い空へなんて行かないで。奪わないで。

 遠くで、ただいまーと声がする。ドアの開くガチャガチャといった音でヴィヴィオは飛び起きた。ぐっと目をこすり、急ごしらえの笑顔を携えて母を出迎える。
「おかえりなのはママ」
「ありがとうヴィヴィオ。寂しかった?」
「ううん、さっきまで友達といたから全然!」
「そっか。なのはママはヴィヴィオと離れててちょっと寂しかったな」
「――、」
「なんてね。ちゃんと仕事してきたよ! 今日はヴィータちゃんも一緒でさ――」
「なのはママ」
「うん?」
「ご飯にしようか。今日はもう用意してあるんだ」
 華やいだ表情に少女は目を細めて笑う。
 明日の朝また家をでていく彼女がいう寂しいなんて。笑ってしまうのだ。
 ――ほんと、今晩ベッドに縛り付けておこうかな。
「愛してるよ、なのはさん」
 食事時の後彼女はシャワーを浴びていた。
 ヴィヴィオの風呂のガラス戸越しにつぶやいた声を拾ってくれる彼女に、額をぶつけてしまいたくて。
「え、何か言った?」
 それでもゆっくりと手をつき、扉を離れる。洗面所の水道で顔を濡らして頭を冷やす。頬から顎を伝い水が滴りおちて、ぽたりと襟を湿らせた。
「大好きって言ったんだよ」
 いくら縛りたくても、この人はきっと空に上がる。私の手なんて届かないほど高くに。誰にも触れなれないほどの孤高から、誰をも護って。フェイトママでもなく、ヴィータおねえちゃんでもなく、ティアナさんでもなく。ヴィヴィオは思う。そう、だ。私は、空になりたいなあ……。
「レイジングハートに、よろしくって言っておいてね」
「ヴィヴィオは毎回それ言うよね。伝えておくよ」
「護ってね」
「護るよ、わたしがヴィヴィオのことを」
「違うよ、そうじゃない」
「うん?」
「護って」
 ――返して。
 世界一愛しい人は、いつだってガラス越しで勘違い。
 誰よりも見てくれて大切に思ってくれるのに、私の気持ちだけ見てくれない。

 頬を水滴が伝っている。タオルで拭くのを忘れていた。
 視線をずらし、カゴの中に脱ぎ捨てられたなのはの衣服をそっと手にとると、少女はそっと唇をつけた。



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