2017-09

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黄色いばら

映画でのアリサちゃんのお母さんをみているとさ、ああアリサちゃんて大人になったらこんな感じかなって想像してアリなの妄想がはかどるよね。
そんなときは「違えた道の端」をよみかえすと、大人アリサちゃんの姿がアリサちゃんのお母さんの姿で再生されます。
アリなの、いいと思います。
アリサちゃんのお母さんが好みです。
もうアリサちゃんのお母さんとなのはさんとかどうですかね。いやないか。アリサちゃん泣くよ。

ということで以下、アリ母←なのは。



 黄色いばら


「失敗したかなあ」
 せみが鳴いている。この辺りは街中でありながら木が多いせいだ。もう目的地が近いのだ。
 ところで高町なのははアリサの家に向かっていた。背中を汗が伝い、額の前髪はびっしょりだ。二つ結びの髪もまとめてしまったくらいに、今年の夏は猛烈な熱を地上に降り注いでいた。日差しがつよい。太陽が力強く焼き尽くそうとしている。今朝店の前の道に水を撒いていたが、なにか効果が見込めるのだろうかと疑問に思うほどだった。土の道ならあるいは効果があるのかもしれないが、コンクリートでは逆に水蒸気になって湿度があがって暑さを感じやすくなってしまうと何処かで聞いたことがある。なのははそんな曖昧な知識を浮かべながら、もう全身から水をかぶってしまいたいと重たい足取りでアリサの家に向かっていた。
 今日は一人だ。フェイトには仕事が入っていて、すずかはもう家に到着しているらしい。ということでバスにのって一人で歩いているというわけであった。
 彼女であったのはそんな道中だった。熱された鉄板のようなコンクリートもそろそろ終わりが見えてきたとき、ドアの音がバタンと響いて、なのははそちらに視線をやった。敷地内に止められた車から見たことのある美しい女性が出てきた。
 それがアリサの母であった。
 面識は少なく、また会う機会などほとんどない二人であるが、会うたびに美しくなっているような気がなのははしていた。
 その内面から磨かれているであろう美しさに一瞬目を奪われるが、首を傾げた彼女の姿になのはは本来の目的を思い出す。
 アリサちゃんに会いに来たのだと。そう言おうとするのだが、今この瞬間二人きりであったことに何か意味があるような気がして、言葉が喉を通らなかった。
 立ちすくんでいると、彼女は微笑んで、またからっと晴れた笑顔を見せた。
 好きです、と思わず告白してしまいそうな。
「これからうちによってくんだよね? ごめんねー、私すぐにでなきゃいけないの。でもアリサは大丈夫だから相手してあげてね!」
 なのはは喉を押さえる。
 彼女は不振に思い、「喉が痛いの、大丈夫? 風邪なら家でゆっくり休んだほうがいいわよ」と顔を覗き込んでくる。なのはは更に慌てた思いで距離をとり、大丈夫です、と言葉を振り絞る。
「すこし乾燥しちゃったのかもしれません」
「ああ、暑いもんねえ。じゃ何か冷たいもの入れてもらおうね」
 家に向かおうとするアリサの母は、なのはに対して背中を向ける。会話は終わりだ。やりとりも、すべてここで終わり。
 その次は?
 あるのだろうか。次第に忙しくなっている現状、アリサとだって満足に時間をとれないというのに。
「あなたとっ!」
 考えてしまえば止まらなかった。
 なのはは、自分がこんなにも激情家であることを、知らなかった。
「……あなたともっとお話がしたいです」
「え?」
「アリサちゃんとじゃなくて、あなたと。だから」
 ――居なくならないで、ください。
 夏の虫の音がけたたましく鳴いている。
 自分の声もこのまま夏のこうこうたる空に吸い込まれてしまっていたならよかったと、なのはは発言を後悔するわけでもなく相手の迷惑を考えて思った。だが取り消すことはできないし、決して掻き消してほしくはない気持ちであった。
「不思議なことを言うのね。でもそれはどうして?」
「あの、一緒に、居たいから、です。離れたくないって思ってしまいました。どうしてかはわからないんですけど、とにかくあなたと」
 彼女はひとつ、ため息。
「ねえなのはちゃん、それさ、もう」
 ひと夏の恋というには、出会ってからが長すぎて、すごした時間は短すぎた。
 過ちで済むには、少し遅い。だって彼女には愛する人と、愛する子がいる。
「取り消さないでよ?」
 深い深い金色の髪が、アリサとは少しだけ違う深みを魅せて。太陽の日差しよりも熱く焼き付けてきて、向日葵の可憐さのように軽快に入り込んできて、黄色い薔薇のような悪魔的な魅力でなのはを絡めとって離さない。
 そんな彼女が自分に近づいてきている。
 なのはは自分が今、一体どんな顔をしているのか。
 見当もつかなかった。


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