2017-10

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

掌で心をころがして

ヴィヴィオはきっとフェイトと同じくらいなのはを溺愛してしまうと思う。
名のとおり溺れるに近い。
そんな15歳ヴィヴィオ×なのはです。
某所で素敵なヴィヴィオとなのはの絵を拝見しまして。
もう書いちゃえ、いやっほい!ってことで書きました(何
絵はすごくらぶらぶだったけど、このお話は・・・いや、どうだろうね。。
甘ったるい話を書いてみよう。いつもそう思うけど、いざ書こうとするとどうしても食指が動かない。不思議だ。

それでは続きをどぞ~。



 掌で心をころがして


 心ってボールじゃないから。ころがすとちゃんと痛い。
 遊具にも使えない。痛くて悲しくて、そんな邪魔なだけの心を鬱陶しいと思うこともある。
「なのはママ。私、なのはママのことだいすき」
「うん知ってる」
「だいすき」
「もちろん、私も」
「違う。だいすき、なんだよ」
「だから、私もヴィヴィオのことが大好きだよ?」
「違うよ、そうじゃない」
 柔らかげな唇にそっと自らのを被せた少女の頬は、悴んだ指先よりも真っ赤だと、少女だけが気付いている。本人はただ身に起ったことに驚きを隠さない。
「だいすき。分かってくれた?」
 だけど心があるから、痛いんだろうね。
 痛みが分かるってやっぱり良いことなんだろう、と少女は泣きそうな顔で笑った。

 正方形に切り取られたのは、白銀に染まる世界。
 窓枠に手をかけ、少女は息を吹きかけた。ガラスは一瞬にしてくゆった。生まれた結露を指でぬぐって、名前を書いてみた。
 なのはさん、と。
 そんな少女の背丈は、あと少しで最愛の人に届く。
 少女は十五歳。幼い顔つきながらも、十分に大人びた雰囲気を纏うほどに成長していた。
「ヴィータお姉ちゃんは“悪魔”だと言った。フェイトママは“女神”だと言った。じゃあ私は、どうなんだろう」
 困り果てた様子のなのはから若干の距離をとって、少女は呟いた。独り言にも似た言葉の意味を捉えることはなのはには出来ず、いまだ口付けられた衝撃が抜け切らぬ中で少女を見上げていた。
 カーペットが敷かれている床にへたりこんだ人の姿を横目で振り返る。どんなことをしていても、どんな格好で、どんな表情をしていても可愛らしい人の姿に、苦笑が洩れる。
「考えてみた。だけど私はなのはママを何かに例えることなんて出来なかったよ。私にとってなのはママは、ずっと、なのはママでかなかったから」
 無防備すぎるなのはを何度力任せに抱き締めようとしたか、少女は分からない。
 夕食どき、まな板を軽快なリズムで刻むエプロン姿の後ろから抱き締める、疲れからすやすやと眠るその頬っぺたに口付けを落とす、真っ直ぐな栗色の髪を指で丁寧に梳く。
 叶いもしない妄想を幾度となく頭の中で繰り返しめぐらせてきた。実際に行動に移そうともしたが、その度にどこからくるのか抑止力が身体をしばりつけ、動けなくさせる。ひとえになのはと離れたくないという想いからだ。
 おそらく少女が何をしようとも、なのはは離れていくことはないだろう。優しく強く、誰よりも少女を愛しているからだ。だけれども確実に気まずくはなり、以前のような会話は交わせなくなるはずだ。
 そう思うからこそ、少女はなのはに手を出すことはない。
 少女にはどうしても、毎日華やぐような笑顔が見れることだったり、見送りや出迎えのときにしてくれる優しい抱擁だったりが手放せなかった。自分の名前を呼ぶときの暖かな声も支えた。
「ねえ、なのはさん」
 だが少女がなのはの他者との親密な交わりを見てしまってから、それらが足をいくら引っ張っても押さえ切れなくなった。たまたま何度か訪れた管理局で、なのはは他の誰よりも人気者だった。英雄とたたえられながら、敬遠されることもなく朗らかな会話を交わす人たち。いつも誰かしらなのはの周りには人がいた。フェイトやヴィータ、はやてやティアナといったよく見知った人も居た。その中でも特にフェイトやヴィータと一緒に居る場面をよく目にした。巧妙に隠蔽してはいたが、同じ人を好きになった少女の視点だから分かる。――あれは恋する人間の視線だ、と。また、なのはも彼女たちの視線を受け、他の人には向けない特別な笑顔を返していたのだ。
 そんな考えに至った少女は、自分ながら苦笑した。自分は今まで何をしていたのだろうと。自分が一番愛されていると自惚れ、安心し、その気になればと構えていた事に心底嫌悪した。
 離れるのが嫌?
 何を呑気に考えていたのか。
 授業を終えいつものように家で復習も兼ねた仮想戦闘訓練をしながら一人の時間を潰し、母親の笑顔を迎えた瞬間に弾けとんだ。それからはほぼ衝動に近かった。
「なのはさんって、ずっと呼びたかったんだよ。ほんとうに、ずっとね」
「ヴィ……ヴィオ」
 震える声に口付けるよう、もう一度名前を囁いて、少女はなのはに向かった。
「なのはさんを私のものにしたい。いい?」
「だってヴィヴィ――」
「ごめんね、もう待てないや」
 尋ねる口調だったが、なのはの言葉を待つ気はない。紺色の教導隊指定の制服を脱がし、白いシャツのボタンを人差し指ではじくように飛ばした。胸の弾力もあってか、ブチブチと弾け床の隅の方にところがっていく。首筋に口付けながら同時進行でシャツを肩からずらすと、黒いハイネックが覗く。少女は容赦なく捲り上げた。豊満な胸が橙の下着に護られていたけど、もちろんそれも上にずらす。震えながらこぼれたなのはの胸に手をそえた。
「なのはさんの胸、凄く綺麗」
 口の中に溜まった唾を飲み込み、蕾を唇ではさむ。舌先で突っつくと、頭上の方からかすかに艶がかった声が漏れた。その反応に満足し、さらに少女は進める。
 が、少女はふと行為の最中に鎖骨辺りについた紅の痕に気付いた。いきなり行動がやんで、なのはは少女の様子を仰ぎ見ようとし、途中で止まった。
「これ、なに」
「え……?」
「何これ。誰にされたの」
「ヴィヴィオ?」
「キスマーク付いてる」
 指差しながら、表情を削り取った少女がなのはに問う。自身の身体を見下ろすが、捲り上げられたハイネックが視界を遮って見えにくいようだったが、思い当たることはあるみたいで、面白いほどに顔色が変わった。実際は少女にっとっては面白くもなんともなく、それどころかさらに怒りを増幅させただけだったのだが。
 もう一度、誰、と顔を近づけて詰め寄ると、か細く「フェイトちゃん」という声が聞こえた。
「付き合ってたんだ。知らなかったな」
 なのはの頬に手を添えた。
「ずるいよ」
 静かに呟くと、なのはは沈んだ声で返してきた。反応がくると予想していなかった少女は、思わず目を剥く。
「違うよヴィヴィオ。フェイトちゃんとは、……付き合っていないよ」
「じゃあなんで、これ……」
「ごめん、それは答えられない」
 それは完全な拒絶のように、少女には聞こえた。
 初めてのそれに耐え切れず、手を引いてなのはの身体から離れた。広い床の上、なのはの隣に寝そべって天井を見上げる。
「分からないよ、なのはママ」
「うん」
「本当によく……わからない」
 胸に酷い空洞ができてしまったような気がする。
 何か、身体にいくつもの穴が空いて、中から漏れ出しているような感覚だった。体中脱力しきっていて、起き上がる気力もない。首を傾け、音もなく降り積もる雪を見る気もしない。
 そんな少女の髪にふと何かが触れた。向日葵色の髪を流れにそって撫でる手に愛情をまだ感じてしまう自分は、やはりどうしようもない馬鹿だと思い、そんな自身に抗うように彼女に背を向け、その手から逃げ出す。
 だけど柔らかな声が後を追うように背中を包み込んだ。
「さっきさ、ヴィヴィオが言ったよね。“だいすき”の意味が違うって。あれ違わないから」
 少女は答えなかった。ただぼんやりとドアの方を眺めていた。
「ヴィヴィオの大好きがそういう意味なら、同じだよ。……って、そう言えば分かってくれるかな」
「え――」
 咄嗟に振り返った少女の頬をなのはが包んだ。意味もわからず、蒼く透き通る瞳に吸い込まれるようにして彼女を見詰めた。
「不安になんてならなくていいんだよ。私はちゃんと、ヴィヴィオを愛してるんだから」
「なのは……ママ?」
「なのはさんでいいよ」
「……な、のは、……さん」
「うん」
「……なのはさん」
「そうだよ。暮らしてきて、今まで気づいてくれなかったほうが悲しいよ。こんなことしなくても、私の心はずっとヴィヴィオのものなんだよ?」
「なのはさん、でも私は……」
「大丈夫だよ。これからたくさん抱き締めてくれれば。時間はまだあるよ」
 少女はそれから、なのはの胸に飛び込んだ。随分と久し振りの抱擁のように感じてしまう。乱暴に脱がせた服があちこちに散らばり、それも少女を追い立てた。
 頭を優しく包み込んでくれるなのはを感じ、少女は咳を切ったように泣き出す。次々と湧き上がってくる嗚咽を隠すことなく、少女は彼女の胸の中にいた。
 落ち着いた頃、ようやく余裕が出来始めた少女が窓を見ると、大人しかった雪は吹雪き始めていた。自分と正反対だな、とこっそり苦笑し、なのはの方に顔を向けた。すやすやと心地良さそうに眠っている彼女の髪を撫でる。
 静寂の支配する世界のなか、二人だけがこの世に存在しているかのようだった。
 ふわりと微笑みを浮かべると、少女もまた再び深い眠りへと潜りこんでいった。



[ WEB CLAP ]

● COMMENT FORM ●

すっげ、すっげ、すっげぇぇぇぇぇ!!!(壊
私も今、ヴィヴィなの書いてるんですがすんごい参考になりました。我が家のやつができた(いつになるか分からないけど(汗))よろしければ見に来てやってくださいm(_ _)m

はじめまして!加奈です。
壊れるほど、ありがとうですよ~w
ってヴィヴィなの書かれているんですか!ぜひ読んでみたいです。
出来ましたらみにいきますね!
というか、、なのは総受け好きですかwいいですよね、なの総受けw

ヴィヴィオは常に聖王・大人バージョンで居ればいいと思う。
ついでに、教導隊にでも入ってしまえばいいと思う。

6課解散後、執務官職務に戻るフェイトに、
「私は、二度となのはさんを悲しませたりなんかしませんから。」
と、言い放つ大人ヴィヴィオが頭に浮かんだ。

>一介の北海道人さん
教導隊に入ると、ヴィータと火花が(ぁ
聖王バージョンのヴィヴィオが好きだったりします。
いえ、小さいのも好きなんですが、大人バージョンで迫られると、なのはさんはきっと断れないんじゃないかなあ、って。

> 6課解散後、執務官職務に戻るフェイトに、
> 「私は、二度となのはさんを悲しませたりなんかしませんから。」 と、言い放つ大人ヴィヴィオ
凄く鮮明に浮かんでしまいましたw
フェイトが驚きながら、「なのはを悲しませたら、すぐに連れ去るから、覚悟しておいてね」と言い返す姿が。
大人ヴィヴィオには容赦のないフェイトさん。


管理者にだけ表示を許可する

なんか電波が。 «  | BLOG TOP |  » 拍手返信なの7

Web Clap

ご意見、ご感想などあればどうぞ。
  

Recent Entries

Categories

Novel List

― Short Story ―
アリサ×なのは
心が君の名前を呼んでいた
違えた道の端  前編 / 後編
すずか×なのは
無想と空想と、紋黄蝶
フェイト×なのは
No title...フェイトver
あなたを想って流した涙は
溶けた灰色の小石
白 -white-
穴の開いた箱
なのはへ。
ヴィータ×なのは
StarDust
21.5話妄想
No title...ヴィータver
大切な Trash Box
誰よりも君に笑ってほしくて
Reinforce
真紅のグラス
Limited Sky
強奪者
蒼い棘
薄氷の上で
摩擦熱
あやふやな星
語ろうとした震え
消えない夕立ち
青と白、それから赤
優しい境界線
はやて×なのは
Sky Tears  SIDE:H / SIDE:N
夜色の羽根
eyes on...
孤島の夢
なのは×リインフォースII
小さな涙
スバル×なのは
君は空しか知らない、僕は大地しか知らない
ティアナ×なのは
月明かりよりも頼りない
貴女の血の味すら
失われた部分と残された部分
命を吹き込まれた落葉
台所で。
求めるままの逃亡
涸れた土
ティアナの適当に幸せな一日
迷子へと示す道標  1 /  /
Don't shake off.
空さえ貴方の前を覆わない  前 /  /
窓を打つ雨みたいな恋
月が堕ちてきた
もっとも不誠実な恋人
世界の終わり
銀朱の残照
僕に重ねて、君は夢をみて
ヴィヴィオ×なのは
掌で心をころがして
擬似家族
小さな声で求めて
蜂蜜
硝子内のひめごと
レイジングハート×なのは
午睡
虚空の紅玉
その他
ヴィヴィなのフェイもどき
SHOUT!  前編 / 後編
猫と主と変質者。
なのはにチョコをプレゼントされたときの台詞
なの!!
雷の憂い

― Long Piece Novel ―
幸福の在処
目次
星たちの休日
 /  /  /
別の世界を願うなら
設定 / 目次 / あとがき
追憶の色に埋もれて
目次 / あとがき
秋、はらむ空
前書き / 目次 / 後書き

― Project Story ―
聖夜 ……目次
拍手SS
一代目 手を伸ばして
二代目 時間
二代目 光の章/夜の幻
描写する100のお題 ……目次
陽の中に塗りこめて。 ……目次
振り返る ……目次

About

魔法少女リリカルなのは二次創作物、主に小説を扱っています。
このブログ内で使用している文及び画像の転載は、例外なくご遠慮下さい。

◇小説の傾向
なのはが絡んでいる百合、修羅場が多め。
なのはさんをめためたに愛し、いじめていきます。

◇リンクについて
リンクフリーですが、貼っていただく場合には下の本館にお願いします。
本館:

何かありましたら下まで。
kone6.nanoなのgmail.com(なの⇒@)



Profile

Author:秋庭加奈
リリカルなのはが大好き。
なのはさん溺愛。そしてゆかりさんにめろめろ。
詳しいプロフィールは本館のMYSELFに。

Pixiv

Monthly Archive

08  07  04  07  02  06  03  08  07  06  02  01  11  08  07  06  06  05  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09  08  07  06  05  04  03  02  01  12  11  10  09 

Link

その境界線は。(本館)

Search Area

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。