その境界線は。
高町なのはを全力全開で愛していく。そんな小説を書いてます。
SHOUT!―前編 2007/10/25
いつぞやに考えた六課解散後の二次会の小説をかいてみました。
ハーレムというわけではないのですが、兎に角なのはさんが皆に愛されています。
あと、衝動と勢いで書き殴りましたのでプロットとかありません、ごめんなさいです。。
人数多すぎは正直キツくて、いろいろとおかしいところがあるかとは思いますが、その辺はスルーしていただけると助かります。
なのはと絡むキャラをピックアップ(勿論質量の違いはありますが)
スバル・ティアナ・ヴィータ・はやて・リインII・フェイト
前編・後編と分けました。後編はまた後ほど。
とりあえずシリアスではないです。あ、15禁くらいでお願いしますねw
スバルとティアナはミッドチルダでは飲酒OKな年齢、ということにしてやってください。
そんなものでよければ、続きからどうぞ。
SHOUT! 前編
さて、お酒というものは普段誰しもについている枷の重みを少しばかり減らすわけだが、こと機動六課メンバーにおいてはそれが顕著になる。……などと一度も飲んだことのない者がいう台詞ではないが、此度それをいやというほど実感するはめになってしまった。お酒を飲めなくてよかったと今は心底思う。
人が変わる、という瞬間をご存知だろうか。
たしかにアルコールやお祭りは人を惑わすのに長けているのだろうと、何となくであるが想像できていた。この席では今までを振り返り、これから進んで行く道への不安を振り払ったり、一度に集まるのは最後になるだろう戦友たちと笑い合うのが目的の会であるはずだったから、ある程度は仕方ないのだとは思う。しかし建物の原型を留めないほど暴れても言い理由がどこにあるのだろう。
キャロ・ル・ルシエは優しかった保護者の変貌ぶりを嘆きながら、後に自然保護隊の仲間に語る。――生きててよかった、と。
そんな幼き少女の肩を、仲間は叩かずにはいられなかったという。
◇
それは機動六課解散後の二次会のことだ。
喜々として全力全開で向かってくる隊長達を相手になんとか生還を果たした新人達は、一度シャワーを浴びて会場へ向かった。一歩踏み込めば、ただ広い空間に並べられた座布団と御膳がとびこんでくる。なんでも高町なのはと八神はやての出身地の形式に倣ったものだという。
隊長たちは既に浴衣を着用し、席についていた。この部屋はスターズ分隊・ライトニング分隊・ロングアーチが収まっているようだ。もっともロングアーチで二次会に出席しているのは、トップである部隊長とその愛すべき融合型デバイス、パイロット二人に、シャマルとザフィーラだけである(新人が理由を知るのは後のこと)。
もう新人と呼ぶのも相応しくないだろう。六課に就いてからというもの緊急時には隊長を助けられるほどに成長した四人は、ぺこりと頭を下げて席に着く。
「一年間本当にお疲れ様でした。今日はみんな、ゆっくり楽しんでいってください」
部隊長の挨拶でグラスが交わされる。エリオとキャロだけはノンアルコールの飲料だったが、既に飲酒できる年齢に達していたスバルとティアナはなのはによってなみなみとグラスに注がれたお酒に口をつけた。そんななのはの顔が既に真っ赤であることに気付いたのは、旧知の友人だけで、もちろん二人は気付かない。
そして二次会も開始より一時間がすぎた頃。
始めはあちこちで花が咲く程度の談話が、今では部屋に大音声が響いていた。すでに開けたアルコールの瓶と缶は数知れない。
ちびっこ二人は変わらず仲良く談話しているし、スバルも慣れないお酒で長くもちそうはないことは分かっていてるから控えめにちびちびと飲んできた。対してティアナは表向き平常を装っているものの少し気分がよくなりはじめていた。そんな彼女たちの席に、一人の訪問者があった。ライトニング二人は気付かなかったが、フォワード二人はほんのりと首を赤く染めた高町なのはを見つけるとすぐさま姿勢をあらためた。二人の様子に苦笑しながら、なのはは手にしたボトルを差し出す。
「そんなにかしこまらなくても大丈夫だよ。そして今までお疲れ様」
「はいっ」
二人は同時に返答し、なのはに軽い笑みを誘う。今でも変わらず憧れのエースを前に、スバルは硬直を緩めることができない。当然であろう。もはやスバルの感情レベルは憧れどころではなかったのだから。
「ふふ、スバルはいい子だね」
「あう、なのはさん……」
なのはは頭を撫でる。――若干その手つきが怪しかったことは気付かないフリをしよう、とティアナは視線を逸らしグラスを一度傾けた。あ、空だ。
「スバル」
「あ、はいなんでしょう?」
ぼうっと撫でられていたスバルが我に帰る――。
「うんとね、なんだかすごく抱き締めたくなっちゃったんだけど、いいかな」
――ことはもちろんさせなかった。ぐるりと思考を方向転換させたスバルの返答を待たずになのはは抱きつく。
憧れのなのはさんが私を包んでくれている。ふわふわとした感覚にとらわれながら、今のこの喜びを精一杯感受しようとスバルはなのはの背に手を回した。
そんな二人のやりとりを横目で盗み見ていたティアナは手にしたグラスをテーブルに落とした。慌てて拾うも、指を切るなんて初歩のミスをしてしまう。だがそれは問題ではない。いつのまにかスバルの体を離したなのはがティアナの少し表皮は固くも綺麗な指を口に含んだ。それから傷口を舌が優しく撫でていく。
「ん、気をつけなきゃだめだよ。大切な指なんだからね」
「あ、えっと」
「ティアずるいー」
スバルのそんな声などもはやティアナには聞こえなかった。あのなのはが指を舐めながら顔を見ている。自然と上目遣いになるなのはを見ると、受けている刺激と相まってティアナは顔を赤くした。ぞくりと体の芯まで届くような、ねっとりとした舌触りに、手を引くこともできず瞼をきつく閉じると、なのはは指から口を離した。
「ごめん、痛かったかな」
「そ、んなことは」
「じゃあ嫌だった?」
「そんなっ。そんなことないですよ……ただ、恥ずかしいというか」
普段のトゲはどこへいったのやら、俯き加減に呟く教え子の愛らしさに、なのはは微笑を漏らしながら頬に手をやった。同時に耳朶を指で愛撫しつつ、至近距離まで顔を近づけて、今日のティアナは凄く可愛いよ、と囁く。当然囁かれたほうはたまったものではない。お酒の所為か仄かに染まった胸に目が行き、意外と大きいんだななどといらないことまで考えてしまう。
「どうしたの、ティアナ」
「む、胸元見えてます」
と、そんな風に馬鹿素直に口に出してしまったのだから仕方ない。普段の冷静さは何処へ置き去りにしてきたのかというぐらい、ティアナの脳内は沸騰している。
浴衣が僅かに着崩れていたこともティアナの混乱を増長させた。
「あはは、ごめん。変なもの見せちゃったね」
「そんな! 凄く綺麗で、その……っ、さ、触ってもいいですか」
訂正。混乱ではなかった。ティアナは錯乱していた。
「ティアナ、それはちょっと……?」
当然断るなのはだったが、止められるティアナではなかった。誰にも言ってはいないが、なんといってもあの過去を知り、教導を受けた夜から密かに憧れ好いていたなのはの胸を間近で見てしまったのだ。止まれという方がおかしい。
興奮で再び指から噴出した血も構わず、ティアナはたわわに実った胸に手を添え、その感触を十分に堪能しようとしたところで――雷鳴が轟いた。ついでに言うと鉄球も飛んできた。
金色の閃光が眼下にティアナを見下ろす。既に振り下ろされた戦斧を、起動したクロスミラージュで食い止めることができたのは奇蹟といえよう。
「何するんですか、フェイト隊長」
「あれ、命はいらないのかと思ってた」
その間も押し付けられる力は変わらない。むしろ体勢からしてティアナの不利である。
「そんなわけないでしょう、今から天国に上れるところだったのに」
「地獄になら落としてあげるけど、どう?」
「もちろん遠慮します!」
思い切って横に力をそらし、飛びのいた。短時間だったというのに息が荒い。
「……別に興奮してるわけじゃないんだから」
「ティ、ティアナ。フェイトちゃん?」
「なのはさん、少し待っていてください。必ず貴女の元に戻ってきますから」
「よ、よく分からないんだけど」
「なのは、害虫は駆除しなきゃならない。分かるよね」
「うん、まあ」
「つまりそういうことだよ。安心して席に戻っていて」
「……もっとよく分からなくなっちゃったよ、フェイトちゃん」
などと言っている間に二人は戦闘を始めてしまった。スバルが巻き込まれていたが、なのはは気付かない。幸い部屋の隅の方でちまちまやってくれた為全壊することはないだろう、最低限の理性は残っているようだから。恐らく。というよりも見るのが怖い。
盛り上がる二人の邪魔をしないようにと早々に立ち上がったなのはは、フェイトに言われたとおり大人しく席に戻ることにした。
腰を落ち着けると、隣で未だに食を進めていたヴィータと目線が合い、どうにか笑ってみせるが、彼女は一度なのはを見上げただけで何かを言うことはなかった。不機嫌なようだ、なのはは首を捻りつつも、彼女の自分に対するそんな反応には慣れていたので、自分も残っていた膳を口に運んだ。
いくらかお腹も落ち着いてきたところで、ヴィータが不意に、「お前も大変だな」と呟く。
「ふえ、何が?」
本人にと手は当然とも言えるべきその問いに答えることなく、顎で隅を差した。なのははそれでも首を傾げる。
「ううん、こんな場所でまで訓練なんてちょっとやりすぎだよね。ちょっと止めてくるよ」
「いや、待て。お前が行ったらこの建物壊れるから」
「ヴィータちゃん、酷いよそれ……。私だって加減くらいできるもん」
「いや、なあ? そういっていつも施設破壊して始末書書いてるのは誰だっけな」
「あ、あはは……」
「まあいいけどさ。ほら、飲めよ」
「うん、ありがとうヴィータちゃん」
グラスに透明の液体が注がれると、なのははこくこくと喉を上下する。先ほどから随分飲んでいるが、なのはは自分が酔っていることに気付かない。後から回りはじめる種の人間のようだった。
「つーかさっさと一人に決めとけばいいのにさ。そうすればあいつらも大人しくなるんじゃないか、……たぶん。いや、かも、……運がよければ」
「どんどん確立が減っているんだけど」
「う、うるせーよ。くそ、なにょはっ」
「昔に戻ってるよ……、なのはだよ」
「どーでもいいんだよそんなことは!」
「う、うん。何?」
あまりの勢いになのはは身体を引くが、ヴィータは更に身を乗り出してくる。
「いつも誤魔化してるけど、ほほほ本当は誰が好きなんだ!」
ぐっと顔を近づけられて、なのははその整頓されたパーツにしばし見惚れてしまう。詰め寄られ、咄嗟に目の前の少女の名前を口に出してしまうと、瞬時に髪の毛ほどに真っ赤に顔が染まった。
「え、あ、あたしか……?」
「うん、だってヴィータちゃん凄く可愛いし」
「ど、何処がだよ、あたしなんかの何処が……」
「うんと、何処と言われても答えにくいんだけど、全部だよ。ヴィータちゃんの全部が可愛いし好き」
「う、あうぅ……」
柔らかそうな頬も朱に変わり、なのははますますそんなヴィータを愛らしく思った。
なのはの好きとヴィータの好きでは若干のズレがあることは最早言うまでもない事かもしれないが、一応ここで注記しておこう。
ともあれヴィータのあからさまな変化に、可愛いとは思ってもどうすべきか分からず、両頬を手で挟み、顔を覗きこむ。蒼い瞳の中に自分が映るまで近づくと、少女は目を閉じた。じっくりと、だが確実に酔いが回るなのはの頭は、考える事を放棄し、誘われるままにヴィータにキスをする。――その額に。ヴィータは大好きななのはの柔らかな感触を感じた。
「ってなんでおでこなんだよ」
「だって……、え?」
「うぅ。なんだよぉ……、それぇ」
「もしかしてほっぺたの方がよかった、とか?」
「っ」
要領の得ない押し問答でヴィータが焦れたのは少しばかり致し方ないことではあった。
ヴィータはなのはを座布団の上に倒し、腕を押さえつけてから唇を奪った。距離を少しおけば、お互いの顔に熱い吐息が掛かる。アルコールの香りが鼻を掠めたが構わなかった。再びヴィータはなのはの柔らかすぎる唇を貪った。口腔を侵し、舌がだるくなるほどに絡ませる。
「なの、は……っ」
「ヴィータちゃ、ぁ……んぅうっ」
必死で少女の胸を押し、退けようとするなのはだが、上手く力が入らない。ヴィータもヴィータで、体を引く理性など一欠けらも残留してはいなかった。
そんな二人の背後では、辞書ほどの大きさの本を手にした部隊長が仁王立ちし、黒い笑みを浮かべていた。
⇒後編に続く
ハーレムというわけではないのですが、兎に角なのはさんが皆に愛されています。
あと、衝動と勢いで書き殴りましたのでプロットとかありません、ごめんなさいです。。
人数多すぎは正直キツくて、いろいろとおかしいところがあるかとは思いますが、その辺はスルーしていただけると助かります。
なのはと絡むキャラをピックアップ(勿論質量の違いはありますが)
スバル・ティアナ・ヴィータ・はやて・リインII・フェイト
前編・後編と分けました。後編はまた後ほど。
とりあえずシリアスではないです。あ、15禁くらいでお願いしますねw
スバルとティアナはミッドチルダでは飲酒OKな年齢、ということにしてやってください。
そんなものでよければ、続きからどうぞ。
SHOUT! 前編
さて、お酒というものは普段誰しもについている枷の重みを少しばかり減らすわけだが、こと機動六課メンバーにおいてはそれが顕著になる。……などと一度も飲んだことのない者がいう台詞ではないが、此度それをいやというほど実感するはめになってしまった。お酒を飲めなくてよかったと今は心底思う。
人が変わる、という瞬間をご存知だろうか。
たしかにアルコールやお祭りは人を惑わすのに長けているのだろうと、何となくであるが想像できていた。この席では今までを振り返り、これから進んで行く道への不安を振り払ったり、一度に集まるのは最後になるだろう戦友たちと笑い合うのが目的の会であるはずだったから、ある程度は仕方ないのだとは思う。しかし建物の原型を留めないほど暴れても言い理由がどこにあるのだろう。
キャロ・ル・ルシエは優しかった保護者の変貌ぶりを嘆きながら、後に自然保護隊の仲間に語る。――生きててよかった、と。
そんな幼き少女の肩を、仲間は叩かずにはいられなかったという。
◇
それは機動六課解散後の二次会のことだ。
喜々として全力全開で向かってくる隊長達を相手になんとか生還を果たした新人達は、一度シャワーを浴びて会場へ向かった。一歩踏み込めば、ただ広い空間に並べられた座布団と御膳がとびこんでくる。なんでも高町なのはと八神はやての出身地の形式に倣ったものだという。
隊長たちは既に浴衣を着用し、席についていた。この部屋はスターズ分隊・ライトニング分隊・ロングアーチが収まっているようだ。もっともロングアーチで二次会に出席しているのは、トップである部隊長とその愛すべき融合型デバイス、パイロット二人に、シャマルとザフィーラだけである(新人が理由を知るのは後のこと)。
もう新人と呼ぶのも相応しくないだろう。六課に就いてからというもの緊急時には隊長を助けられるほどに成長した四人は、ぺこりと頭を下げて席に着く。
「一年間本当にお疲れ様でした。今日はみんな、ゆっくり楽しんでいってください」
部隊長の挨拶でグラスが交わされる。エリオとキャロだけはノンアルコールの飲料だったが、既に飲酒できる年齢に達していたスバルとティアナはなのはによってなみなみとグラスに注がれたお酒に口をつけた。そんななのはの顔が既に真っ赤であることに気付いたのは、旧知の友人だけで、もちろん二人は気付かない。
そして二次会も開始より一時間がすぎた頃。
始めはあちこちで花が咲く程度の談話が、今では部屋に大音声が響いていた。すでに開けたアルコールの瓶と缶は数知れない。
ちびっこ二人は変わらず仲良く談話しているし、スバルも慣れないお酒で長くもちそうはないことは分かっていてるから控えめにちびちびと飲んできた。対してティアナは表向き平常を装っているものの少し気分がよくなりはじめていた。そんな彼女たちの席に、一人の訪問者があった。ライトニング二人は気付かなかったが、フォワード二人はほんのりと首を赤く染めた高町なのはを見つけるとすぐさま姿勢をあらためた。二人の様子に苦笑しながら、なのはは手にしたボトルを差し出す。
「そんなにかしこまらなくても大丈夫だよ。そして今までお疲れ様」
「はいっ」
二人は同時に返答し、なのはに軽い笑みを誘う。今でも変わらず憧れのエースを前に、スバルは硬直を緩めることができない。当然であろう。もはやスバルの感情レベルは憧れどころではなかったのだから。
「ふふ、スバルはいい子だね」
「あう、なのはさん……」
なのはは頭を撫でる。――若干その手つきが怪しかったことは気付かないフリをしよう、とティアナは視線を逸らしグラスを一度傾けた。あ、空だ。
「スバル」
「あ、はいなんでしょう?」
ぼうっと撫でられていたスバルが我に帰る――。
「うんとね、なんだかすごく抱き締めたくなっちゃったんだけど、いいかな」
――ことはもちろんさせなかった。ぐるりと思考を方向転換させたスバルの返答を待たずになのはは抱きつく。
憧れのなのはさんが私を包んでくれている。ふわふわとした感覚にとらわれながら、今のこの喜びを精一杯感受しようとスバルはなのはの背に手を回した。
そんな二人のやりとりを横目で盗み見ていたティアナは手にしたグラスをテーブルに落とした。慌てて拾うも、指を切るなんて初歩のミスをしてしまう。だがそれは問題ではない。いつのまにかスバルの体を離したなのはがティアナの少し表皮は固くも綺麗な指を口に含んだ。それから傷口を舌が優しく撫でていく。
「ん、気をつけなきゃだめだよ。大切な指なんだからね」
「あ、えっと」
「ティアずるいー」
スバルのそんな声などもはやティアナには聞こえなかった。あのなのはが指を舐めながら顔を見ている。自然と上目遣いになるなのはを見ると、受けている刺激と相まってティアナは顔を赤くした。ぞくりと体の芯まで届くような、ねっとりとした舌触りに、手を引くこともできず瞼をきつく閉じると、なのはは指から口を離した。
「ごめん、痛かったかな」
「そ、んなことは」
「じゃあ嫌だった?」
「そんなっ。そんなことないですよ……ただ、恥ずかしいというか」
普段のトゲはどこへいったのやら、俯き加減に呟く教え子の愛らしさに、なのはは微笑を漏らしながら頬に手をやった。同時に耳朶を指で愛撫しつつ、至近距離まで顔を近づけて、今日のティアナは凄く可愛いよ、と囁く。当然囁かれたほうはたまったものではない。お酒の所為か仄かに染まった胸に目が行き、意外と大きいんだななどといらないことまで考えてしまう。
「どうしたの、ティアナ」
「む、胸元見えてます」
と、そんな風に馬鹿素直に口に出してしまったのだから仕方ない。普段の冷静さは何処へ置き去りにしてきたのかというぐらい、ティアナの脳内は沸騰している。
浴衣が僅かに着崩れていたこともティアナの混乱を増長させた。
「あはは、ごめん。変なもの見せちゃったね」
「そんな! 凄く綺麗で、その……っ、さ、触ってもいいですか」
訂正。混乱ではなかった。ティアナは錯乱していた。
「ティアナ、それはちょっと……?」
当然断るなのはだったが、止められるティアナではなかった。誰にも言ってはいないが、なんといってもあの過去を知り、教導を受けた夜から密かに憧れ好いていたなのはの胸を間近で見てしまったのだ。止まれという方がおかしい。
興奮で再び指から噴出した血も構わず、ティアナはたわわに実った胸に手を添え、その感触を十分に堪能しようとしたところで――雷鳴が轟いた。ついでに言うと鉄球も飛んできた。
金色の閃光が眼下にティアナを見下ろす。既に振り下ろされた戦斧を、起動したクロスミラージュで食い止めることができたのは奇蹟といえよう。
「何するんですか、フェイト隊長」
「あれ、命はいらないのかと思ってた」
その間も押し付けられる力は変わらない。むしろ体勢からしてティアナの不利である。
「そんなわけないでしょう、今から天国に上れるところだったのに」
「地獄になら落としてあげるけど、どう?」
「もちろん遠慮します!」
思い切って横に力をそらし、飛びのいた。短時間だったというのに息が荒い。
「……別に興奮してるわけじゃないんだから」
「ティ、ティアナ。フェイトちゃん?」
「なのはさん、少し待っていてください。必ず貴女の元に戻ってきますから」
「よ、よく分からないんだけど」
「なのは、害虫は駆除しなきゃならない。分かるよね」
「うん、まあ」
「つまりそういうことだよ。安心して席に戻っていて」
「……もっとよく分からなくなっちゃったよ、フェイトちゃん」
などと言っている間に二人は戦闘を始めてしまった。スバルが巻き込まれていたが、なのはは気付かない。幸い部屋の隅の方でちまちまやってくれた為全壊することはないだろう、最低限の理性は残っているようだから。恐らく。というよりも見るのが怖い。
盛り上がる二人の邪魔をしないようにと早々に立ち上がったなのはは、フェイトに言われたとおり大人しく席に戻ることにした。
腰を落ち着けると、隣で未だに食を進めていたヴィータと目線が合い、どうにか笑ってみせるが、彼女は一度なのはを見上げただけで何かを言うことはなかった。不機嫌なようだ、なのはは首を捻りつつも、彼女の自分に対するそんな反応には慣れていたので、自分も残っていた膳を口に運んだ。
いくらかお腹も落ち着いてきたところで、ヴィータが不意に、「お前も大変だな」と呟く。
「ふえ、何が?」
本人にと手は当然とも言えるべきその問いに答えることなく、顎で隅を差した。なのははそれでも首を傾げる。
「ううん、こんな場所でまで訓練なんてちょっとやりすぎだよね。ちょっと止めてくるよ」
「いや、待て。お前が行ったらこの建物壊れるから」
「ヴィータちゃん、酷いよそれ……。私だって加減くらいできるもん」
「いや、なあ? そういっていつも施設破壊して始末書書いてるのは誰だっけな」
「あ、あはは……」
「まあいいけどさ。ほら、飲めよ」
「うん、ありがとうヴィータちゃん」
グラスに透明の液体が注がれると、なのははこくこくと喉を上下する。先ほどから随分飲んでいるが、なのはは自分が酔っていることに気付かない。後から回りはじめる種の人間のようだった。
「つーかさっさと一人に決めとけばいいのにさ。そうすればあいつらも大人しくなるんじゃないか、……たぶん。いや、かも、……運がよければ」
「どんどん確立が減っているんだけど」
「う、うるせーよ。くそ、なにょはっ」
「昔に戻ってるよ……、なのはだよ」
「どーでもいいんだよそんなことは!」
「う、うん。何?」
あまりの勢いになのはは身体を引くが、ヴィータは更に身を乗り出してくる。
「いつも誤魔化してるけど、ほほほ本当は誰が好きなんだ!」
ぐっと顔を近づけられて、なのははその整頓されたパーツにしばし見惚れてしまう。詰め寄られ、咄嗟に目の前の少女の名前を口に出してしまうと、瞬時に髪の毛ほどに真っ赤に顔が染まった。
「え、あ、あたしか……?」
「うん、だってヴィータちゃん凄く可愛いし」
「ど、何処がだよ、あたしなんかの何処が……」
「うんと、何処と言われても答えにくいんだけど、全部だよ。ヴィータちゃんの全部が可愛いし好き」
「う、あうぅ……」
柔らかそうな頬も朱に変わり、なのははますますそんなヴィータを愛らしく思った。
なのはの好きとヴィータの好きでは若干のズレがあることは最早言うまでもない事かもしれないが、一応ここで注記しておこう。
ともあれヴィータのあからさまな変化に、可愛いとは思ってもどうすべきか分からず、両頬を手で挟み、顔を覗きこむ。蒼い瞳の中に自分が映るまで近づくと、少女は目を閉じた。じっくりと、だが確実に酔いが回るなのはの頭は、考える事を放棄し、誘われるままにヴィータにキスをする。――その額に。ヴィータは大好きななのはの柔らかな感触を感じた。
「ってなんでおでこなんだよ」
「だって……、え?」
「うぅ。なんだよぉ……、それぇ」
「もしかしてほっぺたの方がよかった、とか?」
「っ」
要領の得ない押し問答でヴィータが焦れたのは少しばかり致し方ないことではあった。
ヴィータはなのはを座布団の上に倒し、腕を押さえつけてから唇を奪った。距離を少しおけば、お互いの顔に熱い吐息が掛かる。アルコールの香りが鼻を掠めたが構わなかった。再びヴィータはなのはの柔らかすぎる唇を貪った。口腔を侵し、舌がだるくなるほどに絡ませる。
「なの、は……っ」
「ヴィータちゃ、ぁ……んぅうっ」
必死で少女の胸を押し、退けようとするなのはだが、上手く力が入らない。ヴィータもヴィータで、体を引く理性など一欠けらも残留してはいなかった。
そんな二人の背後では、辞書ほどの大きさの本を手にした部隊長が仁王立ちし、黒い笑みを浮かべていた。
⇒後編に続く
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アリサ×なのは

comments
可愛いなぁもう!!なのはを押し倒すヴィータってのもいいですね
後ろの部隊長に気づくまでの短い時間だけど、なのはの唇を楽しんでほしいです
・・・って、なんか変態さんみたいなコメントになってしまったww
早くはやてに活躍してもらいたいですね(笑)
今回一番報われなかったのは…スバル?
いや、絡みが全くなかったフェイトちゃんか?
続き楽しみにしてます!!
この人がいるだけで、部隊が何個も作れそうな気が。
結局なのはは誰を選ぶの?やっぱりハーレm(殺)。
>スピノザさん
受け受けしいヴィータも可愛いと思いますが、攻めなヴィータも可愛いとおもうんですよ。つまりなのはとヴィータならなんでも!
変態大好きですよ。むしろ自分が変態なので(ぁ
ヴィータの命は、さてあるのでしょうか?w
>sohassさん
なのははいつでもモテモテですよw
きっと一番報われないのはスバルかと……。フェイトさんは、後に復活してくるとおもうですよ。なのはがかかってるので、一度じゃやられたりしないのがフェイトさん。頑張れフェイトさん。
応援ありがとうです、はい、頑張ります!
>ユリかもめさん
なのハーレムの名は伊達じゃないですよ♪
実はなのはが一声かければ数千人が動くという、そんな噂が管理局内に……。
なのはは、ほら、ねえ?誰だろう……実はまだ決めていなかったりします。
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